ギター弾きの天使とデュエットを ~言葉を話さぬ彼に惹かれて、二人は同じ夢を見る~
「ちゃんと診断されたのは、チャコと会わなくなってから、半年くらい経ったころだった。あのときチャコが一緒に夢を追おうって言ってくれて、嬉しかったから、俺本気で治そうと思ったんだ。いろいろな病院にかかったり、自分で調べてみたり、とにかく必死に原因を探した」
チャコはまた涙が出てきそうになった。やはりあのときの約束は嘘じゃなかったのだ。彼も一緒に追うつもりでいてくれたのだ。
「原因がわかったのはあるブログがきっかけだった。そこに俺と同じ症状が書かれてたんだ。そして、そこに書かれてた病名は痙攣性発声障害。自分の意志とは無関係に声帯が閉まってしまう病気だった。心因性のものではなかった」
聞いただけでも恐ろしい。自分の意志とは無関係にだなんて、とても怖かったはずだ。
「治療法はいくつかあったけど、ボイストレーニングで治る可能性があるって言われたから、そのトレーニングを受けることにした。でも、すぐに治るわけじゃなくて、きれいに出せるようになるまでにはかなり時間がかかった。じれったくてしかたなかった。原因はわかったし、それを解消するための行動も起こしているのに、なかなか前進しているように感じられないのがつらかった」
ジャンはチャコの知らないところでずっと治療に励んできたのだろう。今、彼は流暢に話している。チャコの想像もできないような苦労があったはずだ。そんなジャンの姿を想像し、チャコの目に今にもこぼれ落ちそうなほどの涙が溜まっていった。
「最近になってようやく自信を持って歌えるようになるところまできたんだ。そうしたらチャコのあの動画を知った。すぐに俺のことを歌ってくれてるんだってわかった。もういてもたってもいられなかった。すぐにアンサーソングを作って動画を上げた。それでチャコが気づいてくれるようにって祈ってたんだ」
チャコの歌はちゃんとジャンに届いていたのだ。
チャコはついにこらえきれなくなって、再びボロボロと涙を流した。
チャコはまた涙が出てきそうになった。やはりあのときの約束は嘘じゃなかったのだ。彼も一緒に追うつもりでいてくれたのだ。
「原因がわかったのはあるブログがきっかけだった。そこに俺と同じ症状が書かれてたんだ。そして、そこに書かれてた病名は痙攣性発声障害。自分の意志とは無関係に声帯が閉まってしまう病気だった。心因性のものではなかった」
聞いただけでも恐ろしい。自分の意志とは無関係にだなんて、とても怖かったはずだ。
「治療法はいくつかあったけど、ボイストレーニングで治る可能性があるって言われたから、そのトレーニングを受けることにした。でも、すぐに治るわけじゃなくて、きれいに出せるようになるまでにはかなり時間がかかった。じれったくてしかたなかった。原因はわかったし、それを解消するための行動も起こしているのに、なかなか前進しているように感じられないのがつらかった」
ジャンはチャコの知らないところでずっと治療に励んできたのだろう。今、彼は流暢に話している。チャコの想像もできないような苦労があったはずだ。そんなジャンの姿を想像し、チャコの目に今にもこぼれ落ちそうなほどの涙が溜まっていった。
「最近になってようやく自信を持って歌えるようになるところまできたんだ。そうしたらチャコのあの動画を知った。すぐに俺のことを歌ってくれてるんだってわかった。もういてもたってもいられなかった。すぐにアンサーソングを作って動画を上げた。それでチャコが気づいてくれるようにって祈ってたんだ」
チャコの歌はちゃんとジャンに届いていたのだ。
チャコはついにこらえきれなくなって、再びボロボロと涙を流した。