ギター弾きの天使とデュエットを ~言葉を話さぬ彼に惹かれて、二人は同じ夢を見る~
そのうち、またあのポルカを演奏するから踊れと言われて、チャコとジャンはあのころみたいに手を取りあって踊った。ものすごく久しぶりだったけれど、ジャンと一緒だと自然と音に乗れる。チャコはあのころみたいに思いきりはしゃいでいた。
その時間があまりに楽しくて、曲が終わっても、チャコはジャンと微笑みあった。なんだか名残惜しくて離れがたかったけれど、ゆっくりとジャンの手が離れるのに合わせて、チャコもゆっくり体を離そうとした。
けれど、ジャンの腰に回った手はそのままで、ジャンのもう一方の手がチャコの頬をそっと覆ってくる。そして流れるような動作で優しくキスをされた。
人生で三回目のその接触に、しかも人前でのそれに、チャコは平常心を保っていられなかった。顔を真っ赤にしてその場に座り込んだ。恥ずかしすぎてその状態から動けない。顔から火が出そうだ。
すると、その様子を見ていたしげさんが慌ててこちらへやってきて、あのときみたいにジャンを叱ってくれた。
「こらっ、全然反省してないじゃないか。だから、軽々しく触れるもんじゃないって言ってるだろ!」
「恋人になったからいいじゃないですか」
ジャンはどこ吹く風で、さらりと言ってのけた。
「だとしてもTPOを考えなさい! 見てみろ。チャコちゃん真っ赤だろうが。かわいそうに。そういうことは二人きりのときにしなさい!」
「……はい」
不満そうに言うジャンに、チャコはもっと反省しろと心の中で罵った。
その時間があまりに楽しくて、曲が終わっても、チャコはジャンと微笑みあった。なんだか名残惜しくて離れがたかったけれど、ゆっくりとジャンの手が離れるのに合わせて、チャコもゆっくり体を離そうとした。
けれど、ジャンの腰に回った手はそのままで、ジャンのもう一方の手がチャコの頬をそっと覆ってくる。そして流れるような動作で優しくキスをされた。
人生で三回目のその接触に、しかも人前でのそれに、チャコは平常心を保っていられなかった。顔を真っ赤にしてその場に座り込んだ。恥ずかしすぎてその状態から動けない。顔から火が出そうだ。
すると、その様子を見ていたしげさんが慌ててこちらへやってきて、あのときみたいにジャンを叱ってくれた。
「こらっ、全然反省してないじゃないか。だから、軽々しく触れるもんじゃないって言ってるだろ!」
「恋人になったからいいじゃないですか」
ジャンはどこ吹く風で、さらりと言ってのけた。
「だとしてもTPOを考えなさい! 見てみろ。チャコちゃん真っ赤だろうが。かわいそうに。そういうことは二人きりのときにしなさい!」
「……はい」
不満そうに言うジャンに、チャコはもっと反省しろと心の中で罵った。