ギター弾きの天使とデュエットを ~言葉を話さぬ彼に惹かれて、二人は同じ夢を見る~
「で、なんだっけ。歌い方が違うって話だよな?」
「あー、うん」
「それは、ボイトレ受けて、発声の仕方が変わったってのもあると思うけど、チャコの歌声に合わせようと思ったら、自然とそうなるんだよ。お前の声に寄り添いたかった」
「そう、なんだ。ふふっ、嬉しい」
チャコと合わせたいと思ってくれていたことがとてつもなく嬉しかった。
「はぁー、魔性だな、ったく……」
その台詞は、チャコとは反対に向けて発せられたから、チャコには届かなかった。ジャンは一度大きく息を吐きだしてから、チャコへと向き直り、熱い視線を送ってきた。そして、とんでもないことを言い放った。
「なあ、今日は離れたくない。一晩中一緒にいたい」
「っ!? 一晩中……?」
「俺の家においで?」
「……ジャンの家?」
チャコにも離れたくない気持ちはある。だが、恋人になったとはいえ、こんなすぐに男の人の家に上がっていいものかと不安になる。
「ああ、俺の家。ふっ、そんな不安そうな顔するなよ。何もしないから。チャコと一緒にいたい」
ジャンは優しい微笑みを浮かべて見つめてくる。チャコはこの表情に弱いのだ。少しだけ粘って耐えてみたが、結局最後には「わかった」と返事してしまった。
「あー、うん」
「それは、ボイトレ受けて、発声の仕方が変わったってのもあると思うけど、チャコの歌声に合わせようと思ったら、自然とそうなるんだよ。お前の声に寄り添いたかった」
「そう、なんだ。ふふっ、嬉しい」
チャコと合わせたいと思ってくれていたことがとてつもなく嬉しかった。
「はぁー、魔性だな、ったく……」
その台詞は、チャコとは反対に向けて発せられたから、チャコには届かなかった。ジャンは一度大きく息を吐きだしてから、チャコへと向き直り、熱い視線を送ってきた。そして、とんでもないことを言い放った。
「なあ、今日は離れたくない。一晩中一緒にいたい」
「っ!? 一晩中……?」
「俺の家においで?」
「……ジャンの家?」
チャコにも離れたくない気持ちはある。だが、恋人になったとはいえ、こんなすぐに男の人の家に上がっていいものかと不安になる。
「ああ、俺の家。ふっ、そんな不安そうな顔するなよ。何もしないから。チャコと一緒にいたい」
ジャンは優しい微笑みを浮かべて見つめてくる。チャコはこの表情に弱いのだ。少しだけ粘って耐えてみたが、結局最後には「わかった」と返事してしまった。