ギター弾きの天使とデュエットを ~言葉を話さぬ彼に惹かれて、二人は同じ夢を見る~
第二章 ギターとデュエット
1. ギターの音に乗せて
ジャンは毎週水曜と金曜に河川敷に来ているようだった。チャコもそれに合わせて、水曜と金曜は真っ直ぐ河川敷に向かうのが習慣になった。
日が沈むまでの間、ジャンの隣でその演奏を聴く。ときどきジャンに質問したりもするが、基本的にはじっとジャンの演奏に耳を傾けて過ごしていた。
「ジャンが弾く曲は知らないのが多いんだよね。でも、どれもすごくきれい。ずっと聴いてたい」
ジャンは話さないから曲名もわからないけれど、チャコはジャンの演奏に魅了されて、すっかりお気に入りになった曲がいくつもある。一番好きなのは、最初に聴いて涙したあの曲だが、あれも曲名はわからない。ただ切ない気持ちになったのだけはよく覚えている。
「ねー、ジャン。もっと聴かせて?」
その言葉にジャンは微笑むと少しだけ考えるようにしてから、なぜかニヤッとした。そして、彼が奏ではじめたメロディーは、チャコでも知っているものだった。
日が沈むまでの間、ジャンの隣でその演奏を聴く。ときどきジャンに質問したりもするが、基本的にはじっとジャンの演奏に耳を傾けて過ごしていた。
「ジャンが弾く曲は知らないのが多いんだよね。でも、どれもすごくきれい。ずっと聴いてたい」
ジャンは話さないから曲名もわからないけれど、チャコはジャンの演奏に魅了されて、すっかりお気に入りになった曲がいくつもある。一番好きなのは、最初に聴いて涙したあの曲だが、あれも曲名はわからない。ただ切ない気持ちになったのだけはよく覚えている。
「ねー、ジャン。もっと聴かせて?」
その言葉にジャンは微笑むと少しだけ考えるようにしてから、なぜかニヤッとした。そして、彼が奏ではじめたメロディーは、チャコでも知っているものだった。