ギター弾きの天使とデュエットを ~言葉を話さぬ彼に惹かれて、二人は同じ夢を見る~
そして、そんなドキドキを何回か繰り返したあと、ジャンは演奏の手を止めて、じっとチャコを見つめてきた。
「……何?」
ジャンは何も言わずに見つめるばかりだ。チャコはそれが落ち着かなくて、適当に話しはじめた。
「近所にイチョウ並木があるんだけどね、それがすっごくきれいなんだよ。でもさ、地面に潰れたぎんなんがいっぱいあって、もう鼻がもげそうなくらい臭いの……せっかくきれいなのに台無し……いっつも息止めて通り抜けてるんだから」
ジャンはおかしそうにしている。
「ジャンも嗅げばわかるよ。ホントに臭いんだから! 鼻つまんでないと歩けないレベルだから」
チャコがそう言えば、ジャンはニヤッとしてから、唐突にチャコの鼻をつまんできた。いきなりそんなことをされては口呼吸に切りかえることもできなくて息苦しくなる。数秒で我慢できなくなって、チャコは顔を思いきり振り、その手を振り払った。
「プハッ! もう、何するの! 息できなくなるじゃんかっ!」
ジャンはお腹を抱えておかしそうにしている。からかわれたのが面白くなくて、チャコはプイっとそっぽを向いた。
「もう、知らないっ!」
「……何?」
ジャンは何も言わずに見つめるばかりだ。チャコはそれが落ち着かなくて、適当に話しはじめた。
「近所にイチョウ並木があるんだけどね、それがすっごくきれいなんだよ。でもさ、地面に潰れたぎんなんがいっぱいあって、もう鼻がもげそうなくらい臭いの……せっかくきれいなのに台無し……いっつも息止めて通り抜けてるんだから」
ジャンはおかしそうにしている。
「ジャンも嗅げばわかるよ。ホントに臭いんだから! 鼻つまんでないと歩けないレベルだから」
チャコがそう言えば、ジャンはニヤッとしてから、唐突にチャコの鼻をつまんできた。いきなりそんなことをされては口呼吸に切りかえることもできなくて息苦しくなる。数秒で我慢できなくなって、チャコは顔を思いきり振り、その手を振り払った。
「プハッ! もう、何するの! 息できなくなるじゃんかっ!」
ジャンはお腹を抱えておかしそうにしている。からかわれたのが面白くなくて、チャコはプイっとそっぽを向いた。
「もう、知らないっ!」