ギター弾きの天使とデュエットを ~言葉を話さぬ彼に惹かれて、二人は同じ夢を見る~
3. 一週間の別れ
「ねー、次どこ行くのー?」
「いや、あんたも旅のしおり持ってんでしょうが。いい加減自分で見なよ……」
チャコは修学旅行で長崎まで来ていた。恵と由香と同じ班になったから、ここでもずっと一緒に行動しているのだが、チャコは先ほどから移動のたびに二人に次の行き先を聞いていた。全員同じしおりを持っているのだから、チャコもそれを見ればわかるのに、優秀な友人二人に頼りきっていた。
「だって、二人に聞いたほうが早いもん」
「そんなこと言ってると置いてくよ」
「え、ごめんって。置いてかないで。痛っ! なに!?」
唐突に後頭部に痛みを感じて何事かと後ろを振り向けば、そこにはニヤニヤして立っている山下航平がいた。
「いや、あんたも旅のしおり持ってんでしょうが。いい加減自分で見なよ……」
チャコは修学旅行で長崎まで来ていた。恵と由香と同じ班になったから、ここでもずっと一緒に行動しているのだが、チャコは先ほどから移動のたびに二人に次の行き先を聞いていた。全員同じしおりを持っているのだから、チャコもそれを見ればわかるのに、優秀な友人二人に頼りきっていた。
「だって、二人に聞いたほうが早いもん」
「そんなこと言ってると置いてくよ」
「え、ごめんって。置いてかないで。痛っ! なに!?」
唐突に後頭部に痛みを感じて何事かと後ろを振り向けば、そこにはニヤニヤして立っている山下航平がいた。