ギター弾きの天使とデュエットを ~言葉を話さぬ彼に惹かれて、二人は同じ夢を見る~
「え、由香どうしよう。大丈夫かな、これ」
「うん……チャコの様子を見るかぎりはまだ大丈夫なんじゃないかな。そういう雰囲気は感じないし」
「でも、そのわかってない感じがかえって心配というか……」
「それはそうだね……」
付きあってもない女の子の唇を触るだなんてどう考えても軽い。二人はチャコが遊ばれるのではないかと心配になったのだ。
「チャコ、あんた相手が男だって忘れたらだめだからね。身の危険を感じたらすぐ逃げるんだよ!」
「急にどうしたの?」
「いいから! 危ないって思ったときは全力ダッシュ」
「うん?」
チャコはいまいち理解していなかったが、恵の勢いに押されて同意の返事をした。
「天使がどんなやつかわかんないのがなー」
「ジャンはいいやつだよ! いっつもリクエストに応えてくれるし、最近はちょっとデレてくれるようになったんだよ。へへっ」
「まあ仲よくやってるならいいんだけど……」
「うん! ジャンにもお土産買って帰らな……あっ!」
チャコはとんでもないことに気づいた。
「え、何? どうしたの?」
「ジャンに今週は修学旅行で行けないって言うの忘れてた!」
修学旅行は水曜出発で金曜に帰る日程だから、ちょうどジャンと会う日と被っているのだ。
「……毎週毎週会っといて、なんで忘れるわけ。それはさすがにかわいそうだわ。あんたのことずっと待ってるかもしんないじゃん」
「どうしよう……」
別にちゃんと約束しているわけではないが、もう二ヶ月くらい毎週会っているのだ。やはり知らせておくべきだっただろう。
「次会ったときに素直に謝るしかないんじゃないかな? 天使さんの連絡先は知らないんでしょう?」
「うん……次会ったときちゃんと謝る……」
チャコは申し訳ない気持ちでいっぱいになった。今すぐにでも会って話したいが、次に会えるのは一週間後だ。チャコは次の水曜までを悶々として過ごした。
「うん……チャコの様子を見るかぎりはまだ大丈夫なんじゃないかな。そういう雰囲気は感じないし」
「でも、そのわかってない感じがかえって心配というか……」
「それはそうだね……」
付きあってもない女の子の唇を触るだなんてどう考えても軽い。二人はチャコが遊ばれるのではないかと心配になったのだ。
「チャコ、あんた相手が男だって忘れたらだめだからね。身の危険を感じたらすぐ逃げるんだよ!」
「急にどうしたの?」
「いいから! 危ないって思ったときは全力ダッシュ」
「うん?」
チャコはいまいち理解していなかったが、恵の勢いに押されて同意の返事をした。
「天使がどんなやつかわかんないのがなー」
「ジャンはいいやつだよ! いっつもリクエストに応えてくれるし、最近はちょっとデレてくれるようになったんだよ。へへっ」
「まあ仲よくやってるならいいんだけど……」
「うん! ジャンにもお土産買って帰らな……あっ!」
チャコはとんでもないことに気づいた。
「え、何? どうしたの?」
「ジャンに今週は修学旅行で行けないって言うの忘れてた!」
修学旅行は水曜出発で金曜に帰る日程だから、ちょうどジャンと会う日と被っているのだ。
「……毎週毎週会っといて、なんで忘れるわけ。それはさすがにかわいそうだわ。あんたのことずっと待ってるかもしんないじゃん」
「どうしよう……」
別にちゃんと約束しているわけではないが、もう二ヶ月くらい毎週会っているのだ。やはり知らせておくべきだっただろう。
「次会ったときに素直に謝るしかないんじゃないかな? 天使さんの連絡先は知らないんでしょう?」
「うん……次会ったときちゃんと謝る……」
チャコは申し訳ない気持ちでいっぱいになった。今すぐにでも会って話したいが、次に会えるのは一週間後だ。チャコは次の水曜までを悶々として過ごした。