ギター弾きの天使とデュエットを ~言葉を話さぬ彼に惹かれて、二人は同じ夢を見る~
「お疲れ! チャコちゃんもぼうずもよく頑張った! よかったぞ」


 ステージから降りるとすぐにしげさんが労いの言葉をかけてくれた。


「しげさん、ありがとうございます! すごく楽しかったです。こんな気持ち初めて!」
「ははっ。そうか、そうか。それはよかった」


 ジャンに目を向ければ、ジャンも楽しそうな表情を見せていた。チャコはそれが何よりも嬉しかった。


「あとで店に戻って打ち上げするけど、まだちょっと早いから、しばらくは祭りを楽しんでこい。十七時に駐車場に集合にしよう」
「はい。じゃあ、私は聴きに来てくれた友達のとこに行ってきます! あ、ジャンはどうする? 一緒に来る?」


 そう問えば、グイグイと背中を押される。振り向くとジャンはひらひらと手を振って一人でどこかへ行ってしまった。気にせず一人で行けと言っているようだった。

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