ギター弾きの天使とデュエットを ~言葉を話さぬ彼に惹かれて、二人は同じ夢を見る~
そんなふうに過ごしていれば、時間が経つのはあっという間だ。チャコが時刻を確認すれば、もう間もなく十七時を迎えようとしていた。駐車場に向かわねばならない。恵たちに別れを告げるため、チャコが声を上げようとすれば、突然肩をトントンと叩かれた。驚いて振り返れば、チャコのすぐ後ろにジャンが立っていた。
「ジャン? あ、ごめん。迎えに来てくれた? すぐ行くね。ごめん、皆。私もう行かなきゃだ。今日はありがとう! またね!」
なぜか航平は無反応だったが、恵と由香が手を振り返してくれたのを確認し、チャコはジャンに向き直った。
「ごめん、お待たせ! 行こ!」
するとジャンはチャコの手を握って歩きはじめた。
(え、ここで!?)
こんなところでジャンがそんな行動に出るとは思わなくて、チャコはものすごく驚いたし、とても恥ずかしかった。けれど、ジャンが優しく微笑んでくれるから、結局嬉しい気持ちのほうが勝って、チャコもジャンの手をきゅっと握りしめて歩いた。
その様子を恵と由香が驚いた顔で眺めていた
「わーお。思ったのと逆じゃん、あれ」
「うん。あれは天使さんのほうが想いを寄せてるみたいだね」
「だね。そして、ちょっと面倒なことになったかも……」
恵が振り返った先には、チャコとジャンの姿に睨みを利かせる航平の姿があった。
「ジャン? あ、ごめん。迎えに来てくれた? すぐ行くね。ごめん、皆。私もう行かなきゃだ。今日はありがとう! またね!」
なぜか航平は無反応だったが、恵と由香が手を振り返してくれたのを確認し、チャコはジャンに向き直った。
「ごめん、お待たせ! 行こ!」
するとジャンはチャコの手を握って歩きはじめた。
(え、ここで!?)
こんなところでジャンがそんな行動に出るとは思わなくて、チャコはものすごく驚いたし、とても恥ずかしかった。けれど、ジャンが優しく微笑んでくれるから、結局嬉しい気持ちのほうが勝って、チャコもジャンの手をきゅっと握りしめて歩いた。
その様子を恵と由香が驚いた顔で眺めていた
「わーお。思ったのと逆じゃん、あれ」
「うん。あれは天使さんのほうが想いを寄せてるみたいだね」
「だね。そして、ちょっと面倒なことになったかも……」
恵が振り返った先には、チャコとジャンの姿に睨みを利かせる航平の姿があった。