ギター弾きの天使とデュエットを ~言葉を話さぬ彼に惹かれて、二人は同じ夢を見る~

2. 生まれる旋律

 チャコとジャンは河川敷だけでなく丘の上で過ごす時間が増えていった。人目があまりないせいか、ジャンの空気がいつもより甘ったるくなって、チャコも知らず知らずジャンに甘えるようになっていた。



「ジャン、なでなでしてほしい」


 チャコの要望にジャンは素直に応えてくれる。優しく撫でられるのが嬉しくて笑みをこぼせば、ジャンも微笑み返してくれる。きっと傍から見れば二人は普通の恋人同士に見えたことだろう。

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