ギター弾きの天使とデュエットを ~言葉を話さぬ彼に惹かれて、二人は同じ夢を見る~
 ギターの音が止まって、そっと目を開く。


「これで大丈夫だった?」


 不安そうに問いかけてみれば、ジャンは少し頷いて、いつものように優しく頭を撫でてくれた。その反応にチャコはほっと息を吐きだした。


 ジャンは先ほどのノートを手に取ると何やら書き込み、時折ギターを奏でている。とても真剣な表情をしていたから邪魔したくなくて、チャコは少し離れて丘の上からの景色を眺めていた。
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