ギター弾きの天使とデュエットを ~言葉を話さぬ彼に惹かれて、二人は同じ夢を見る~
そのまましばらくぼーっと景色を眺めていたら、作業を終えたらしいジャンがそっとチャコの手を握ってきた。ゆっくりと手を引かれ、チャコは先ほどいた場所にジャンと隣り合って座る。
座るとすぐにノートを見せられた。そこには先ほどまではなかった音符が書き込まれている。
ジャンはそれを指でトントンと叩いてからギターを弾きはじめた。そうして聞こえてきたのは、先ほどチャコが歌ったメロディーだった。
自分が口ずさんだメロディーを全部覚えていたわけじゃないが、とりわけ歌っていて気持ちのよかったフレーズだったから聞けばすぐにわかった。ただ、チャコのメロディーそのままではなくて、もっと聴き心地のいいものに少しアレンジされている。
「これさっきのだよね? 今作ったの?」
ジャンは肯定するように微笑んでいる。そして、その楽譜をトントンと叩いたあとに、チャコの唇をトントンと叩いてきた。この曲を歌えと言っているようだ。
「楽譜見ても歌えない……」
困ったようにそう言うチャコにジャンはギターで繰り返しそのメロディーを弾いてくれた。それに合わせて歌ってみる。自分の口から生まれたものがちゃんと音楽になっている。驚くほどに楽しい。チャコは心が躍ってしかたなかった。
座るとすぐにノートを見せられた。そこには先ほどまではなかった音符が書き込まれている。
ジャンはそれを指でトントンと叩いてからギターを弾きはじめた。そうして聞こえてきたのは、先ほどチャコが歌ったメロディーだった。
自分が口ずさんだメロディーを全部覚えていたわけじゃないが、とりわけ歌っていて気持ちのよかったフレーズだったから聞けばすぐにわかった。ただ、チャコのメロディーそのままではなくて、もっと聴き心地のいいものに少しアレンジされている。
「これさっきのだよね? 今作ったの?」
ジャンは肯定するように微笑んでいる。そして、その楽譜をトントンと叩いたあとに、チャコの唇をトントンと叩いてきた。この曲を歌えと言っているようだ。
「楽譜見ても歌えない……」
困ったようにそう言うチャコにジャンはギターで繰り返しそのメロディーを弾いてくれた。それに合わせて歌ってみる。自分の口から生まれたものがちゃんと音楽になっている。驚くほどに楽しい。チャコは心が躍ってしかたなかった。