あの日、桜のキミに恋をした
隅田川の近くにある2LDKの10階建てマンション。


ここが私と春斗の家だ。


7階にある私たちの部屋のベランダからは、スカイツリーが少しだけ見える。


「ただいまー!」


「お母さんおかえりー!」


家の扉を開けると、春斗が走ってやって来る。


早いもので、今年で小学2年生になった。


「疲れたでしょー?ご飯できてるわよ!」


「2人ともただいま!お母さんありがとう!」


春斗は学校が終わったらそのまま学童へ行っているけれど、その学童は18:00で終わってしまう。


私は日勤の場合17:15に業務は終わるけれど、その時間に帰れることはまずあり得ない。


大抵、緊急入院の対応などで定時を過ぎてしまう。


平均して仕事が終わるのが18:00。


買い物とかをすると家に着くのは19:00になってしまう。


まだ小さい春斗を1人にしてしまうのは避けたくて、こうしてお母さんが来れる日はうちで春斗の帰りを出迎えてもらっている。


そしてついでにご飯まで作ってくれるのだ。


私が夜勤の時は、お母さんがうちに泊まってくれたり、逆に春斗が泊まりに行ったりしている。
< 103 / 154 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop