あの日、桜のキミに恋をした
偶然の再会
Side 由奈
久しぶりに私と先輩の休みが土日でかぶった奇跡的な今日。
春斗と3人で公園に出かけることになっていた。
でも春斗は先輩が一緒に行くことをまだ知らない。
春斗と自分の身支度も済んで、お弁当もバッチリ準備した。
そろそろ迎えの時間かなと思っていると、ちょうど下のエントランスからインターホンが鳴らされた。
私が解錠ボタンを押すのを不思議そうに見ながら「だれだったのー?」と春斗が聞いてきた。
ドアのチャイムが鳴り、玄関からは鍵を開けに行ってくれた春斗の興奮した声が聞こえて来た。
「あ!じゅんだー!!ひさしぶりー!」
「こーら!大人の人を呼び捨てしないの!」
飛び跳ねて喜んでいる春斗を後ろから注意した。
親が若いからとかひとり親だから子どもの教育がなっていないと思われるのが嫌だったから、こういう部分に関しては厳しくするようにしている。
「そうだな。他の大人は呼び捨てしちゃダメだけど、俺のことは潤でいいよ」
先輩は自分の脚にしがみついている春斗を撫でながら言った。
彼も一緒に行くことを伝えると予想通りのはしゃぎぶりだった。
こうなることが分かっていたから、先輩が来ることは今日まで伝えないことにした。
もし話していたら、きっと昨日は興奮して寝てくれなかったと思う。
私と先輩の付き合いが8年ということは、すなわち春斗と先輩も約8年の付き合いということになる。
物心つく頃にはもう遊んでもらっていたし、実際にはその前から、彼は先輩にたくさんお世話をしてもらっていた。
だから、春斗にとって先輩はお兄ちゃんのようなお父さんのような、そんな存在だ。
——もし私が結婚したら、春斗にはお父さんができて、こんな感じの家族になれるのかな……?
私は2人の様子を見守りながら、そんな未来を想像してとても穏やかな気持ちになった。
久しぶりに私と先輩の休みが土日でかぶった奇跡的な今日。
春斗と3人で公園に出かけることになっていた。
でも春斗は先輩が一緒に行くことをまだ知らない。
春斗と自分の身支度も済んで、お弁当もバッチリ準備した。
そろそろ迎えの時間かなと思っていると、ちょうど下のエントランスからインターホンが鳴らされた。
私が解錠ボタンを押すのを不思議そうに見ながら「だれだったのー?」と春斗が聞いてきた。
ドアのチャイムが鳴り、玄関からは鍵を開けに行ってくれた春斗の興奮した声が聞こえて来た。
「あ!じゅんだー!!ひさしぶりー!」
「こーら!大人の人を呼び捨てしないの!」
飛び跳ねて喜んでいる春斗を後ろから注意した。
親が若いからとかひとり親だから子どもの教育がなっていないと思われるのが嫌だったから、こういう部分に関しては厳しくするようにしている。
「そうだな。他の大人は呼び捨てしちゃダメだけど、俺のことは潤でいいよ」
先輩は自分の脚にしがみついている春斗を撫でながら言った。
彼も一緒に行くことを伝えると予想通りのはしゃぎぶりだった。
こうなることが分かっていたから、先輩が来ることは今日まで伝えないことにした。
もし話していたら、きっと昨日は興奮して寝てくれなかったと思う。
私と先輩の付き合いが8年ということは、すなわち春斗と先輩も約8年の付き合いということになる。
物心つく頃にはもう遊んでもらっていたし、実際にはその前から、彼は先輩にたくさんお世話をしてもらっていた。
だから、春斗にとって先輩はお兄ちゃんのようなお父さんのような、そんな存在だ。
——もし私が結婚したら、春斗にはお父さんができて、こんな感じの家族になれるのかな……?
私は2人の様子を見守りながら、そんな未来を想像してとても穏やかな気持ちになった。