あの日、桜のキミに恋をした
案の定鋭い春斗のひと言に私たちは顔を見合わせた。


別に結婚をしたわけではないし、今までの生活と何かが変わるわけでもないから、私たちが付き合い始めたことは春斗には特に何も伝えていなかった。


でもこうして聞かれたら、きちんと説明しないわけにはいかない。


「お母さんね、じゅんさんとお付き合いしたいなって思ってるんだけど、春斗はどう思う?」


「オレは今までみたいにじゅんと会えるならそれでいいよ!じゅんはお母さんのこと好きでしょ?」


「好き、大好きだよ。お母さんのことも、もちろん春斗のことも大切にする。これからも今まで通り何も変わらないよ」


「そっか。じゃあオレはべつにいいよ!」


春斗のあっさりした返事に、私たちはひとまずホッと胸を撫でおろした。


春斗に何も伝えていないことが、無意識のうちに心の中で引っかかっていたのかもしれない。


なんだかスッキリした気持ちで楽しくお昼を食べていた時だった。


「うそ……もしかして、由奈……?」


そこにはとても懐かしい人物が立っていた。
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