あの日、桜のキミに恋をした
*
2度あることは3度ある、なんて言葉があるけれど、そういう〝流れ〟のようなものは確かにあると思っていて。
先日公園で美月と再会をしてからずっと、胸騒ぎがしていた。
その日は用事があって春斗と出かけていて、私たちは帰りに表参道の欅並木を歩いていた。
それは別に用事とは全く関係なくて、もし私が散歩をしようなんて言わなければ、そのまま何事もなく家に帰れていたはずだった。
あんな気まぐれを起こした自分を呪いたい。
「お母さんここ人多いね!」
「そうだね。はぐれないように手離さないでね」
表参道のシンボルとも言えるこの道は、いつ来ても行き交う人でいっぱいだ。
私は春斗を店側にして手を繋いで歩いていた。
ちょうど美容院の前を通りがかった時に、扉がカランと音をさせて開いた。
お客さんのお見送りだろうと思い、邪魔にならないように春斗を私の方へ寄らせる。
その時、一瞬目が合った美容師の顔に見覚えがあった私はすぐに目を逸らしてその場を立ち去ろうとした。
「由奈ちゃん……?」
しかし、早歩きで10歩ほど進んだところで後ろからかけ寄ってくる足音と共に声をかけられ、私は立ち止まらざるを得なくなった。
声の方を振り返ると、そこにはやはり、さっきの美容師がいた。
2度あることは3度ある、なんて言葉があるけれど、そういう〝流れ〟のようなものは確かにあると思っていて。
先日公園で美月と再会をしてからずっと、胸騒ぎがしていた。
その日は用事があって春斗と出かけていて、私たちは帰りに表参道の欅並木を歩いていた。
それは別に用事とは全く関係なくて、もし私が散歩をしようなんて言わなければ、そのまま何事もなく家に帰れていたはずだった。
あんな気まぐれを起こした自分を呪いたい。
「お母さんここ人多いね!」
「そうだね。はぐれないように手離さないでね」
表参道のシンボルとも言えるこの道は、いつ来ても行き交う人でいっぱいだ。
私は春斗を店側にして手を繋いで歩いていた。
ちょうど美容院の前を通りがかった時に、扉がカランと音をさせて開いた。
お客さんのお見送りだろうと思い、邪魔にならないように春斗を私の方へ寄らせる。
その時、一瞬目が合った美容師の顔に見覚えがあった私はすぐに目を逸らしてその場を立ち去ろうとした。
「由奈ちゃん……?」
しかし、早歩きで10歩ほど進んだところで後ろからかけ寄ってくる足音と共に声をかけられ、私は立ち止まらざるを得なくなった。
声の方を振り返ると、そこにはやはり、さっきの美容師がいた。