あの日、桜のキミに恋をした
another STORY feat.沢村
Side 沢村
あれは確か、大学2年か3年の春。
高3の時のクラスの何人かで集まった日だったと思う。
「んじゃあぁ、2次会行く人〜?」
「はーーい!」
「行く行くー!」
ほとんどのメンバーが次の店に向かって列を成して歩き始めている中、橘だけはスマホを見たまま店の前で立ち止まっていた。
「橘は2次会行かねーの?」
「うーん……いっかな!わりと酔ってるし!」
ありきたりな言い訳だった。
見え透いたウソなんてやめとけって。
康介が来てないから帰るんだろ?
アイツがいたら、そんな作り笑いなんてしないじゃん。
知ってるっつーの!
俺は、康介を見ていた橘をずっと見てきたんだから。
彼女はずっと、俺の親友のことが好きだった。
叶うはずのない恋なのに。
そして俺はずっと、そんな彼女のことが好きだった。
敵うはずもない恋なのに。
俺たちは報われない者同士だった。
あれは確か、大学2年か3年の春。
高3の時のクラスの何人かで集まった日だったと思う。
「んじゃあぁ、2次会行く人〜?」
「はーーい!」
「行く行くー!」
ほとんどのメンバーが次の店に向かって列を成して歩き始めている中、橘だけはスマホを見たまま店の前で立ち止まっていた。
「橘は2次会行かねーの?」
「うーん……いっかな!わりと酔ってるし!」
ありきたりな言い訳だった。
見え透いたウソなんてやめとけって。
康介が来てないから帰るんだろ?
アイツがいたら、そんな作り笑いなんてしないじゃん。
知ってるっつーの!
俺は、康介を見ていた橘をずっと見てきたんだから。
彼女はずっと、俺の親友のことが好きだった。
叶うはずのない恋なのに。
そして俺はずっと、そんな彼女のことが好きだった。
敵うはずもない恋なのに。
俺たちは報われない者同士だった。