あの日、桜のキミに恋をした

夏祭り

Side 由奈


あの事件から、塾の迎えにはお父さんが来るようになって、康介とはほとんど会えなくなった。


メールや電話はしていたけど、その頻度も次第に減っていく。

 
土日の日中なら、お父さんたちをうまく誤魔化して少しくらい会えるかもと思って連絡しても、彼も何やら忙しそうで遠回しにいつも断られてしまう。
  

——新しい彼女でもできたのかな……?


康介は優しいから、私と連絡を続けてくれているだけなのかもしれない。


傷つくのが怖くて自分から聞くことなんてできないけど、彼の中ではきっともう私たちは終わったことになっているんだと思うようにした。
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