あの日、桜のキミに恋をした

クリスマス・イヴ

Side 康介


分かっていたことだけど、それにしても俺がサボっていた間にできた同級生との学力差は凄まじかった。


遊びに行くのをやめて勉強に時間を充てても全く縮まる気配がなかった。


高校受験に向けて本腰を入れたのはあの事件からだから多分5月くらい。


その時点で本番まではだいたい半年くらいだった。

  
これまでの勉強ができていれば別に問題ないだろうけど、ほぼゼロからの俺からするととにかく時間がなかった。


由奈との連絡も返す余裕がなくなって、気づけば夏休みを迎えていた。


もしかしたらもう見限られて、由奈には別の男がいるかもしれない。


どんどん思考がネガティブになっていく。


そんな時に、一哉が由奈からの伝言を教えてくれた。


『私も頑張る。絶対待ってる』と。


それを聞いてさらにやる気が入った俺は、今まで以上に集中して周りが見えなくなっていた。
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