あの日、桜のキミに恋をした
Side 由奈


遂に言ってしまった。


自分から彼の家に行くと言ってしまった!


目的はお土産を渡すことだけど、渡してからさようならとならないことは、あえて時間を指定された時点で分かった。


もしかしたら康介もその後のことを考えているのかもしれない。


そういうことなら私も2時間の間で出来る限りの準備をしなくては。


事前にネットで、初めての時に気をつけることや準備についてはリサーチ済みだ。


とりあえずお風呂に入ってもう一度全身を確認して、それからこの日のために用意しておいた下着に着替える。


私が下手くそで康介が気持ち良くなれなかったらどうしようとか、彼はもっと胸が大きい方が好きなんじゃないかとか、気になり出したらキリがない。


もうなるようになれの精神で、私は彼の家に向かう。


お土産を渡し終わると、やっぱりそのまま彼の部屋に上がることになった。


彼のベッドに腰掛けたまま沈黙が続いてしまい、何か話さなきゃと頭をフル回転させたけど、緊張のせいか何も思い浮かばない。
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