あの日、桜のキミに恋をした
放課後、今日の由奈は急ぐように教室を出て行った。
もちろん何の用事か、どこへ行くのかなんて俺は知らない。
家に帰ってもグダグダするのは目に見えてたから、気晴らしに学校から4つ先の駅まで足を伸ばした。
高校や大学もある大きめの駅だから、近くの店とかがわりと充実しているのだ。
視線を落としたまま道行く人の間をボーッと歩いていると、前から来た人とぶつかりそうになり足を止める。
避けようとすると「あ、君は確か阿部さんの……」と声をかけられた。
顔を上げれば、そこにいたのはあの小林くんだった。
別に知り合いでもないし、お互い話すこともないから軽く頭だけ下げて通り過ぎたのに、小林くんはわざわざ後ろから声をかけてきた。
「ごめん、なんか俺のせいで喧嘩になったんだよね?」
《《俺のせいで》》というのがなんだか気に入らなかった。
確かにきっかけとして彼が関係してはいるが、彼が俺たちに何か影響を与えているとでも言いたげなところはしっかり否定しておきたかった。
由奈の同級生だったからって、俺たちの中には入ってこないでもらいたい。
「……俺と由奈の問題だから、君はカンケーねーよ」
もうこれ以上話しかけてくるなという雰囲気を出して歩き始めると俺の背中に向かってまだ彼は話を続けてきた。
「いやー。でもあの子全然変わってなくて笑ったよ。相変わらず色んな男に愛想振りまいてんだな。君見たところ真面目くんぽいから教えといてあげるよ。彼女清楚な顔して相当な尻軽だから、遊ばれてるの覚悟したほうがいいよ?」
もちろん何の用事か、どこへ行くのかなんて俺は知らない。
家に帰ってもグダグダするのは目に見えてたから、気晴らしに学校から4つ先の駅まで足を伸ばした。
高校や大学もある大きめの駅だから、近くの店とかがわりと充実しているのだ。
視線を落としたまま道行く人の間をボーッと歩いていると、前から来た人とぶつかりそうになり足を止める。
避けようとすると「あ、君は確か阿部さんの……」と声をかけられた。
顔を上げれば、そこにいたのはあの小林くんだった。
別に知り合いでもないし、お互い話すこともないから軽く頭だけ下げて通り過ぎたのに、小林くんはわざわざ後ろから声をかけてきた。
「ごめん、なんか俺のせいで喧嘩になったんだよね?」
《《俺のせいで》》というのがなんだか気に入らなかった。
確かにきっかけとして彼が関係してはいるが、彼が俺たちに何か影響を与えているとでも言いたげなところはしっかり否定しておきたかった。
由奈の同級生だったからって、俺たちの中には入ってこないでもらいたい。
「……俺と由奈の問題だから、君はカンケーねーよ」
もうこれ以上話しかけてくるなという雰囲気を出して歩き始めると俺の背中に向かってまだ彼は話を続けてきた。
「いやー。でもあの子全然変わってなくて笑ったよ。相変わらず色んな男に愛想振りまいてんだな。君見たところ真面目くんぽいから教えといてあげるよ。彼女清楚な顔して相当な尻軽だから、遊ばれてるの覚悟したほうがいいよ?」