あの日、桜のキミに恋をした
Side 由奈
24日はもう冬休みに入っていたから、クリスマスパーティーはお昼から康介の家に集まってやることになった。
事前に予約して買って来たピザとチキン、ケーキにお菓子やドリンクをリビングのテーブルにみんなで並べる。
「佐々木くん、お手洗い借りてもいい?」
「おー!リビング出て廊下のとこを右……ってか由奈連れてってあげて!」
「はーい!美月行こ!」
私は美月を連れてリビングを出た。
初めて康介の家に来た夏のあの日以来、ここへはもう何度も来させてもらっていて、だいたいの構造は把握している。
「そっかぁ〜由奈はここに入り浸ってイチャイチャしてるからこんなに詳しいわけかぁ」
美月をトイレの前まで連れてくると、彼女はにんまり笑ってこちらを見てきた。
全てお見通しなんだぞと顔に書いてある。
「べ、別に入り浸ってないからね!?何回か来てるだけだよ……!」
2週間に1回……いや正確には週に1回くらい……。
うちは基本的にお母さんが家にいることが多いから、2人きりになるためには、父さんの帰りが遅い康介の家で過ごすことになる。
「でも佐々木くんのお父さんはいないわけだし、2人であんなことやこんなことしてるんだ〜?」
「もうッ!私の話はいいから早くトイレ行ってきてー!」
まだまだ何か言い足りなさそうな美月を無理やりトイレに押し込んで私はホッと息ついた。
最近は美月から康介とのことについてイジられることが多くて、私はその度に話をはぐらかしてしまう。
人に自分の恋愛話をするのがあまり得意じゃないらしい。
私なんかの恋愛話を聞いてもらうのが申し訳ないと思ってしまうのだ。
美月は今好きな人はいないと話していたけれど、もし沢村くんのこの恋が成就すれば、4人で過ごすことも増えるかもしれない。
——そうすれば、美月とお互いの彼氏の話をしたりすることになるのかな?
私はこの時、美月の気も知らずにそんな呑気なことを考えていた……。
24日はもう冬休みに入っていたから、クリスマスパーティーはお昼から康介の家に集まってやることになった。
事前に予約して買って来たピザとチキン、ケーキにお菓子やドリンクをリビングのテーブルにみんなで並べる。
「佐々木くん、お手洗い借りてもいい?」
「おー!リビング出て廊下のとこを右……ってか由奈連れてってあげて!」
「はーい!美月行こ!」
私は美月を連れてリビングを出た。
初めて康介の家に来た夏のあの日以来、ここへはもう何度も来させてもらっていて、だいたいの構造は把握している。
「そっかぁ〜由奈はここに入り浸ってイチャイチャしてるからこんなに詳しいわけかぁ」
美月をトイレの前まで連れてくると、彼女はにんまり笑ってこちらを見てきた。
全てお見通しなんだぞと顔に書いてある。
「べ、別に入り浸ってないからね!?何回か来てるだけだよ……!」
2週間に1回……いや正確には週に1回くらい……。
うちは基本的にお母さんが家にいることが多いから、2人きりになるためには、父さんの帰りが遅い康介の家で過ごすことになる。
「でも佐々木くんのお父さんはいないわけだし、2人であんなことやこんなことしてるんだ〜?」
「もうッ!私の話はいいから早くトイレ行ってきてー!」
まだまだ何か言い足りなさそうな美月を無理やりトイレに押し込んで私はホッと息ついた。
最近は美月から康介とのことについてイジられることが多くて、私はその度に話をはぐらかしてしまう。
人に自分の恋愛話をするのがあまり得意じゃないらしい。
私なんかの恋愛話を聞いてもらうのが申し訳ないと思ってしまうのだ。
美月は今好きな人はいないと話していたけれど、もし沢村くんのこの恋が成就すれば、4人で過ごすことも増えるかもしれない。
——そうすれば、美月とお互いの彼氏の話をしたりすることになるのかな?
私はこの時、美月の気も知らずにそんな呑気なことを考えていた……。