冷徹ホテル王の最上愛 ~天涯孤独だったのに一途な恋情で娶られました~
だけど内容からして彼を思ってのことなのだろう。同意してすぐに実行に移せるということはよくよく準備していたに違いない。
彼が働くペースを抑えることには賛成だ。従業員の勤務時間に関して、働きすぎにならぬよう厳しく管理している彼は、肝心の自分の労働時間には無頓着なのだから。
『あれではいつか身体を壊してしまう。でも言ってもまったく聞く耳を持たない』
そう言って九条夫妻も嘆いていた。
少しペースを落とすと決めたなら安心だ。
「だけどそれならどうして迎えに来たりしたの? せっかく早く帰れるのに……」
とそこまで言いかけて、日奈子はドキッとして口を閉じる。
宗一郎が日奈子のヘッドレストに左手を置いたからだ。もう一方の手が日奈子の顎に添えられる。
咎めるような視線がゆっくりと近いてきて……。日奈子は目を見開いて慌てて口を開いた。
「そ、宗くんは、私のことが好きだから、私の顔を見たかった。夜ご飯を一緒に食べたかったのよね!」
自分でそんなことを言うなんて、自惚れもいいところだ。でも仕方がないことだった。
彼が働くペースを抑えることには賛成だ。従業員の勤務時間に関して、働きすぎにならぬよう厳しく管理している彼は、肝心の自分の労働時間には無頓着なのだから。
『あれではいつか身体を壊してしまう。でも言ってもまったく聞く耳を持たない』
そう言って九条夫妻も嘆いていた。
少しペースを落とすと決めたなら安心だ。
「だけどそれならどうして迎えに来たりしたの? せっかく早く帰れるのに……」
とそこまで言いかけて、日奈子はドキッとして口を閉じる。
宗一郎が日奈子のヘッドレストに左手を置いたからだ。もう一方の手が日奈子の顎に添えられる。
咎めるような視線がゆっくりと近いてきて……。日奈子は目を見開いて慌てて口を開いた。
「そ、宗くんは、私のことが好きだから、私の顔を見たかった。夜ご飯を一緒に食べたかったのよね!」
自分でそんなことを言うなんて、自惚れもいいところだ。でも仕方がないことだった。