冷徹ホテル王の最上愛 ~天涯孤独だったのに一途な恋情で娶られました~
美鈴、宗一郎双方がコメントを発表できないのは肯定はもちろんのこと、美鈴が日本を離れるまでは否定することもできないからだ。
そもそもSNS上だけでの疑惑に過ぎなかったふたりの噂を週刊誌が掲載に踏み切ったのは、美鈴が近しい人たちに近々結婚すると報告したのが、リークされたからだ。
その状況で婚約を否定したらじゃあ相手は誰だという話になる。
そしたら彼女は身動きが取れなくなってしまう。彼女は両親に秘密にしたまま婚約者の元へ行きたいのに。
「さすがにこの一週間は副社長のお顔を拝見できないね。今までみたいに気軽に立ち寄るって状況にはないもんね」
服を脱ぎながら莉子が言う。
日奈子は無言で頷いた。
美鈴が滞在しているこの場所に宗一郎が来たらそれがたとえいつもの視察だとしても大騒ぎになってしまう。
今までは、プライベートで会わない期間でもしょっちゅう顔を合わせていたのに、あの夜以来、日奈子は一度も彼の顔を見ていない。
メッセージは毎日来るし、都合がつけば、電話もしてくれる。
それなのに、こんなにも寂しく感じてしまう自分自身に驚きだった。
「日奈子、今日もスイートだよね」
制服を着終えた日奈子は、莉子の言葉に頷いた。
「うん、そう」
そもそもSNS上だけでの疑惑に過ぎなかったふたりの噂を週刊誌が掲載に踏み切ったのは、美鈴が近しい人たちに近々結婚すると報告したのが、リークされたからだ。
その状況で婚約を否定したらじゃあ相手は誰だという話になる。
そしたら彼女は身動きが取れなくなってしまう。彼女は両親に秘密にしたまま婚約者の元へ行きたいのに。
「さすがにこの一週間は副社長のお顔を拝見できないね。今までみたいに気軽に立ち寄るって状況にはないもんね」
服を脱ぎながら莉子が言う。
日奈子は無言で頷いた。
美鈴が滞在しているこの場所に宗一郎が来たらそれがたとえいつもの視察だとしても大騒ぎになってしまう。
今までは、プライベートで会わない期間でもしょっちゅう顔を合わせていたのに、あの夜以来、日奈子は一度も彼の顔を見ていない。
メッセージは毎日来るし、都合がつけば、電話もしてくれる。
それなのに、こんなにも寂しく感じてしまう自分自身に驚きだった。
「日奈子、今日もスイートだよね」
制服を着終えた日奈子は、莉子の言葉に頷いた。
「うん、そう」