冷徹ホテル王の最上愛 ~天涯孤独だったのに一途な恋情で娶られました~
もちろんなにも答えるつもりはないが、彼の言葉に引っかかりを覚えたからだ。
美鈴と宗一郎のことに関する取材のはずなのに、どうして彼は日奈子の名前を把握しているのだろう? 宗一郎と関係とはいったい……?
首を傾げる日奈子に、彼は畳み掛けるようにまた口を開いた。
「モデルの美鈴が九条副社長と婚約中なのはご存知ですよね。でも副社長は同時期にあなたとも頻繁にお会いになられている。休日に公園でのフェスティバルに行かれたり、仕事帰りにおふたりで食事をされていてお互いのマンションも行き来されているのをこちらで把握しております。恋人関係にあるということでよろしいですか?」
彼の話を聞きながら、日奈子は血の気が引いていくのを感じていた。
つまり彼は、宗一郎が二股していると勘違いし、そのことについて聞きたいと言っているのだ。
大企業の副社長がモデルとの婚約だけならいざ知らず、自社の社員と二股交際していたとなれば、企業イメージに傷がつきかねない。
「あの、困ります。私……」
美鈴と宗一郎のことに関する取材のはずなのに、どうして彼は日奈子の名前を把握しているのだろう? 宗一郎と関係とはいったい……?
首を傾げる日奈子に、彼は畳み掛けるようにまた口を開いた。
「モデルの美鈴が九条副社長と婚約中なのはご存知ですよね。でも副社長は同時期にあなたとも頻繁にお会いになられている。休日に公園でのフェスティバルに行かれたり、仕事帰りにおふたりで食事をされていてお互いのマンションも行き来されているのをこちらで把握しております。恋人関係にあるということでよろしいですか?」
彼の話を聞きながら、日奈子は血の気が引いていくのを感じていた。
つまり彼は、宗一郎が二股していると勘違いし、そのことについて聞きたいと言っているのだ。
大企業の副社長がモデルとの婚約だけならいざ知らず、自社の社員と二股交際していたとなれば、企業イメージに傷がつきかねない。
「あの、困ります。私……」