冷徹ホテル王の最上愛 ~天涯孤独だったのに一途な恋情で娶られました~
それがたとえ母の意思と少し違っていたとしても、きっと母も喜んでくれるはず。
涙に濡れる唇で日奈子は母についての自分の決意を口にする。
「お母さんは、宗くんにいい相手と結婚してもらいたいという大奥さまの言葉の真意を取り違えていたのかもしれない。でもそうでなくても私と宗くんの結婚には反対したと私は思う。そのくらい九条家と大奥さまに恩を感じていたから……でも」
そこで言葉を切って、頬を包む大きな手に頬ずりをした。
「お母さんにダメだって言われたとしても私は宗くんが好き、宗くんと一緒にこれからの人生を歩みたい。だって私は宗くんのそばでしか幸せになれないんだもん。お母さんにどんなに怒られたとしてもこれだけは譲れない」
宗一郎の瞳が感慨深気に自分を見つめている。その瞳を日奈子は見つめ返した。
「宗くん、愛してます。宗くんが私を大切にしてくれるように私も宗くんを大切にしたい。宗くんが幸せになれるのは私のそばだけなんでしょう?」
「ああ、そうだ」
力強い言葉とともに引き寄せられて、抱きしめられる。耳元で宗一郎が言い切った。
「俺は日奈子のそばでしか幸せになれない。だから俺は日奈子を必ず幸せにする、一生大切にする」
「宗くん……」
広い背中に腕を回して力を込めると、日奈子の胸は心が通じ合えた喜びでいっぱいになる。
傷つけられても、諦めずに想いを伝え続けてくれた宗一郎への感謝の気持ちを口にする。
「宗くんが私の世界を変えてくれたの。お母さんがいなくなって止まったままだった私の時計を動かしてくれた。私の世界を綺麗な色で染めてくれた。ご飯が美味しいって思えることも、なにかやりたいって思えることも全部宗くんのおかげなの」
日奈子を包む宗一郎の腕に力がこもる。耳にかかる彼の吐息が少し乱れて、声が湿る。
「そのために俺は生きると決めたんだ。それが俺の喜びだ。これからも日奈子が笑っていられるように、ずっとそばにいるからな」
「うん、宗くん、ありがとう」
顔を上げて心を込めて日奈子は言う。
涙に濡れる唇で日奈子は母についての自分の決意を口にする。
「お母さんは、宗くんにいい相手と結婚してもらいたいという大奥さまの言葉の真意を取り違えていたのかもしれない。でもそうでなくても私と宗くんの結婚には反対したと私は思う。そのくらい九条家と大奥さまに恩を感じていたから……でも」
そこで言葉を切って、頬を包む大きな手に頬ずりをした。
「お母さんにダメだって言われたとしても私は宗くんが好き、宗くんと一緒にこれからの人生を歩みたい。だって私は宗くんのそばでしか幸せになれないんだもん。お母さんにどんなに怒られたとしてもこれだけは譲れない」
宗一郎の瞳が感慨深気に自分を見つめている。その瞳を日奈子は見つめ返した。
「宗くん、愛してます。宗くんが私を大切にしてくれるように私も宗くんを大切にしたい。宗くんが幸せになれるのは私のそばだけなんでしょう?」
「ああ、そうだ」
力強い言葉とともに引き寄せられて、抱きしめられる。耳元で宗一郎が言い切った。
「俺は日奈子のそばでしか幸せになれない。だから俺は日奈子を必ず幸せにする、一生大切にする」
「宗くん……」
広い背中に腕を回して力を込めると、日奈子の胸は心が通じ合えた喜びでいっぱいになる。
傷つけられても、諦めずに想いを伝え続けてくれた宗一郎への感謝の気持ちを口にする。
「宗くんが私の世界を変えてくれたの。お母さんがいなくなって止まったままだった私の時計を動かしてくれた。私の世界を綺麗な色で染めてくれた。ご飯が美味しいって思えることも、なにかやりたいって思えることも全部宗くんのおかげなの」
日奈子を包む宗一郎の腕に力がこもる。耳にかかる彼の吐息が少し乱れて、声が湿る。
「そのために俺は生きると決めたんだ。それが俺の喜びだ。これからも日奈子が笑っていられるように、ずっとそばにいるからな」
「うん、宗くん、ありがとう」
顔を上げて心を込めて日奈子は言う。