冷徹ホテル王の最上愛 ~天涯孤独だったのに一途な恋情で娶られました~
自分を見つめる綺麗な瞳と少し濡れた癖のある黒い髪、男らしい喉元に、日奈子の鼓動がどくんと大きく音を立てた。
今から自分はこの男性(ひと)のものになる。
焦がれ続けた大好きな人と肌を合わせるのだということが、やっぱりどこか信じられなかった。
絶対にあり得ない、望んではいけない未来だとずっとずっと自分自身に言い聞かせ、とうの昔に諦めていたことなのに。
宗一郎が日奈子の頬に手をあて、安心させるように優しく微笑んだ。
「兄のように思っていた相手とこうなるのに頭がついていけていないんだろう。怖いならまだ無理しなくてもいい。俺はいつまでも待つよ」
いつも日奈子の心に寄り添ってくれる彼らしい言葉に、日奈子は首を横に振った。
「そうじゃないの」
怖いのも戸惑っているのその通りだ。でも理由はまったく違っている。
「私は宗くんのことお兄ちゃんなんて思っていない。ずっと宗くんに恋してたのよ。そんな風に思っていたのは、すごく小さかった頃、もう思い出せないくらい。少し怖いのはそうだけど……それは、ずっとずっと好きだった人とこうなるのが、信じられないからで……」
日奈子の言葉に宗一郎が、目を開いた。日奈子から少し視線を逸らし、掠れた声を出す。
「それが……、俺にはちょっと信じられないっていうか。戸惑うな。まさかはじめから日奈子が俺と同じ気持ちだったとは思わなかったから」
今から自分はこの男性(ひと)のものになる。
焦がれ続けた大好きな人と肌を合わせるのだということが、やっぱりどこか信じられなかった。
絶対にあり得ない、望んではいけない未来だとずっとずっと自分自身に言い聞かせ、とうの昔に諦めていたことなのに。
宗一郎が日奈子の頬に手をあて、安心させるように優しく微笑んだ。
「兄のように思っていた相手とこうなるのに頭がついていけていないんだろう。怖いならまだ無理しなくてもいい。俺はいつまでも待つよ」
いつも日奈子の心に寄り添ってくれる彼らしい言葉に、日奈子は首を横に振った。
「そうじゃないの」
怖いのも戸惑っているのその通りだ。でも理由はまったく違っている。
「私は宗くんのことお兄ちゃんなんて思っていない。ずっと宗くんに恋してたのよ。そんな風に思っていたのは、すごく小さかった頃、もう思い出せないくらい。少し怖いのはそうだけど……それは、ずっとずっと好きだった人とこうなるのが、信じられないからで……」
日奈子の言葉に宗一郎が、目を開いた。日奈子から少し視線を逸らし、掠れた声を出す。
「それが……、俺にはちょっと信じられないっていうか。戸惑うな。まさかはじめから日奈子が俺と同じ気持ちだったとは思わなかったから」