冷徹ホテル王の最上愛 ~天涯孤独だったのに一途な恋情で娶られました~
九条家にとってもはや彼女は従業員の娘という存在ではない。
出ていく必要はないと、両親と宗一郎がいくら止めても決意は揺らがなかった。
結局、両親は月に一度は屋敷に顔を見せるという条件で了承した。
宗一郎も彼女のマンションから行き来しやすくかつ本社に近いこのマンションでひとり暮らしをすることにした。
もちろん、日奈子の安全を見守るためである。
高層階の自分の部屋に入り、宗一郎はテーブルに鍵を置く。
ソファに腰を下ろしてさっきまでこの場所にいた日奈子のことを思い出す。
兄として接してきた日々の中で、彼女が宗一郎をどう見ているかは未知数だった。
そもそも母を亡くしてからの彼女は、ほとんど笑わなくなってしまったのだ。
もちろん仕事中はスタッフとしてにこやかに、一流のもてなしをしている。
だが彼女のトレードマークだった太陽のような笑顔は、まったく見られなくなってしまった。
それどころか、いつも外の世界から一歩引いて間に壁を作っているように宗一郎には感じられ、それがなによりつらかった。
出ていく必要はないと、両親と宗一郎がいくら止めても決意は揺らがなかった。
結局、両親は月に一度は屋敷に顔を見せるという条件で了承した。
宗一郎も彼女のマンションから行き来しやすくかつ本社に近いこのマンションでひとり暮らしをすることにした。
もちろん、日奈子の安全を見守るためである。
高層階の自分の部屋に入り、宗一郎はテーブルに鍵を置く。
ソファに腰を下ろしてさっきまでこの場所にいた日奈子のことを思い出す。
兄として接してきた日々の中で、彼女が宗一郎をどう見ているかは未知数だった。
そもそも母を亡くしてからの彼女は、ほとんど笑わなくなってしまったのだ。
もちろん仕事中はスタッフとしてにこやかに、一流のもてなしをしている。
だが彼女のトレードマークだった太陽のような笑顔は、まったく見られなくなってしまった。
それどころか、いつも外の世界から一歩引いて間に壁を作っているように宗一郎には感じられ、それがなによりつらかった。