冷徹ホテル王の最上愛 ~天涯孤独だったのに一途な恋情で娶られました~
きっぱりと断ることができなかったのは、プロポーズを受けた場所が彼のマンションだったからだ、と日奈子は心の中で言い訳をする。
母の写真とノートがそばになかったから間違った選択をしてしまった。
一夜明けて、こうして明るい中で母の写真を見ると、自分がどうすべきだったかはっきりとわかるのに。
やっぱり今からでも断らなくてはと日奈子は思う。
彼を傷つけたくはないけれど……。
そんなことを考えながらスープを飲み終えて流しに置いた時、玄関の呼び鈴が鳴った。モニターで確認すると、宗一郎だった。
「宗くん、どうしたの?」
驚いてモニター越しに尋ねると、彼は眉を寄せた。
『やっぱり携帯を見てないんだな。今日は休みだから行くとメッセージを入れたのに』
とりあえず施錠を解除して、上がってきてもらうことにする。その間に日奈子は携帯を確認する。
確かに彼が言う通り"自分も休みだから今から行っていいか?"というメッセージが入っている。でも用件は書いていなかった。
着替えている時間はないから日奈子はとりあえずカーディガンを羽織ろうと、チェストから出そうとして、上に置いてある写真とノートが目に留まった。
しばらく考えてから一番上の引き出しにふたつともしまった時、再び呼び鈴が鳴った。
宗一郎が部屋までやってきたのだろう。
「はい」
母の写真とノートがそばになかったから間違った選択をしてしまった。
一夜明けて、こうして明るい中で母の写真を見ると、自分がどうすべきだったかはっきりとわかるのに。
やっぱり今からでも断らなくてはと日奈子は思う。
彼を傷つけたくはないけれど……。
そんなことを考えながらスープを飲み終えて流しに置いた時、玄関の呼び鈴が鳴った。モニターで確認すると、宗一郎だった。
「宗くん、どうしたの?」
驚いてモニター越しに尋ねると、彼は眉を寄せた。
『やっぱり携帯を見てないんだな。今日は休みだから行くとメッセージを入れたのに』
とりあえず施錠を解除して、上がってきてもらうことにする。その間に日奈子は携帯を確認する。
確かに彼が言う通り"自分も休みだから今から行っていいか?"というメッセージが入っている。でも用件は書いていなかった。
着替えている時間はないから日奈子はとりあえずカーディガンを羽織ろうと、チェストから出そうとして、上に置いてある写真とノートが目に留まった。
しばらく考えてから一番上の引き出しにふたつともしまった時、再び呼び鈴が鳴った。
宗一郎が部屋までやってきたのだろう。
「はい」