冷徹ホテル王の最上愛 ~天涯孤独だったのに一途な恋情で娶られました~
心底わからないというように、宗一郎が首を傾げた。
「小学三年の時のリコーダーのテスト。うちで練習してたら宗くんがすごく上手だから絶対に大丈夫って言ったのに、結果は残念だった」
音程は合っているし自信満々で吹けているが、リズムが合っていないと言われたのだ。そういうことは何度もあった。
「リコーダーのテストか、あれは本当に上手だったよ。オカメインコもよくできてる。ナポリタンも美味しかった」
宗一郎が言い切ってから、なにかを思い出したような表情になった。
「だけどそう言えば、万里子さんには『日奈子をあまり甘やかすな』って言われてたな。べつに甘やかしてるつもりはなかったんだけど。俺は日奈子が一生懸命やってる姿を褒めてるだけなんだから」
そういって頭をかいている。
その姿に、日奈子の口元に笑みが浮かんだ。
「お母さん、宗くんにそんなこと言ったんだ。……小学生の時にね、私、"おばあちゃん"に憧れた時期があって。友達が言ってたの。おばあちゃんってお母さんより優しくて、なにをしても怒ったりしないで褒めてくれるし、おやつをくれるのよって……。で、お母さんに、私にもおばあちゃんがいたらよかったのにって言ったの」
日奈子はそこで言葉を切って、ふふふと笑ってしまう。
「小学三年の時のリコーダーのテスト。うちで練習してたら宗くんがすごく上手だから絶対に大丈夫って言ったのに、結果は残念だった」
音程は合っているし自信満々で吹けているが、リズムが合っていないと言われたのだ。そういうことは何度もあった。
「リコーダーのテストか、あれは本当に上手だったよ。オカメインコもよくできてる。ナポリタンも美味しかった」
宗一郎が言い切ってから、なにかを思い出したような表情になった。
「だけどそう言えば、万里子さんには『日奈子をあまり甘やかすな』って言われてたな。べつに甘やかしてるつもりはなかったんだけど。俺は日奈子が一生懸命やってる姿を褒めてるだけなんだから」
そういって頭をかいている。
その姿に、日奈子の口元に笑みが浮かんだ。
「お母さん、宗くんにそんなこと言ったんだ。……小学生の時にね、私、"おばあちゃん"に憧れた時期があって。友達が言ってたの。おばあちゃんってお母さんより優しくて、なにをしても怒ったりしないで褒めてくれるし、おやつをくれるのよって……。で、お母さんに、私にもおばあちゃんがいたらよかったのにって言ったの」
日奈子はそこで言葉を切って、ふふふと笑ってしまう。