グリーンピアト物語り ~光と愛~
光から闇へ…
 
 豊かな緑と美しい青い海に囲まれたグリーンピアト国には、多くの歴史が刻まれています。昔々、天使と悪魔が仲良く暮らし、魔法使いや妖精も存在したと言われています。しかし、争いが生じ、それぞれが独立した聖域を作り、別々の世界を築き上げ、結界を張って自由に生きることができなくなりました。
争いの中でも、異なる種族同士で愛し合い、密かに家族を築いていった者たちがいました。その子孫が、今のグリーンピアトの人々だと伝えられています。
見た目は普通の人間ですが、実は魔法を使ったり、空を自由に飛んだり、病気や怪我を治したりする信じられない力を持つ人々がいます。しかし、この事実は公にはされていません。なぜなら、その力を悪用する者もいるからです。そのため、再び争いが起こる可能性があります。

グリーンピアトでは、特別なことなく、普通の人々が生活しています。
現在は便利になり、道路も整備され、砂利道は少なくなりました。四輪車と呼ばれる車が走っていますが、それはお金持ちに限られています。一般の人々は二輪の自転車を使っています。また、電話が普及し、電波を使った携帯電話も広まっていますが、これもまた富裕層に限られています。病院では、医師や看護師が院内連絡のためによく使用しています。

さて、グリーンピアト国の概要が理解いただけたかと思います。次に、この国がどのように成り立っているかを説明します。
中心国であるグリーンピアトには、国を治める国王一家が住むグリーンピアト城があります。
港からもその壮大さが伺える大きな城で、大陸の半分を占めるかのような広さで、森林に囲まれた神話時代の雰囲気を感じさせる建物です。外壁は茶色のレンガで囲まれ、ビルに例えると10階建てほどの高さがあります。尖塔の最上階には、国を象徴する金色の六角星が描かれた国旗が掲げられています。

 巨大な鉄の門は城の高さに合わせてあり、通常は門番が電動で開閉してくれる。かつては手動で開けていたが、その頃の門は現在ほど大きくはなかった。
 城と門の間には大きな湖のような川が流れ、その上には橋が架かっている。現在は馬車の代わりに自動車が通行し、専任の運転手3人が交代で運転を担当している。

 バラのつるでおおわれているアーケードを通り抜け、お城の玄関までたどり着くまで車で10分はかかる距離である。

 玄関へ続く階段には、いつも大勢の使用人が並んで出迎えしてくれる。
 玄関の扉は綺麗な白色で、出かける時は大きな扉を両方で使用人が開けてくれる。



 今日は皇子様が外出される日のようです。
 大きな扉が開き、初老の執事が伴う中、出てきたのはおとぎ話から飛び出してきたかのような神秘的な雰囲気を持つ、美しい白い肌の持ち主で男性としては珍しく整った顔立ち、鋭い切れ長の目、すらりと通った高い鼻、魅力的な唇をしています。
 スラリとした長身は、おそらく190cm近いでしょう。
 その王子様の名はルキアス。現在30歳で、未だ結婚せず、縁談も断り続けているようです。
 
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