ずっとあのままでいられたら

第32話 約束の日まで1

あれから眠れない日が続く。
正確には寝れているが、スッキリした朝を迎えていない。
色々考えてしまう。

どうなるのか…怖い。

会いたい気持ちもあるけど、戸惑っている気持ちが今は強い。
そして、会った時に自分の気持ちがどう思うのか…

いつかまた話しはしないといけない。
けど、その日を迎えるのが怖い。
眠れない夜に目を閉じて思う…このまま眠るように死ねないかなって。

それくらい、僕の中の大きな出来事になる日が徐々に近づいてくる。

「…ふぅ、、」
「こんなんじゃダメだ…」

カチっ

スマホを手に取りきょう姉とのLINEを開いた。

「一回自分の方の家に帰ることが決まりました」
「そして、会って話をしてきます」
「…でも、どうなるか分からないから少し怖いや」
「でも、話をしなきゃだよね」



ポチっ…

書いた文を送らずにそのまま消した。

「それがダメだろう…」
「しかもきょう姉の気持ちも聞いたのに、、」
「頼っちゃダメだ…」

あれからきょう姉から連絡はきていない。
なんでもない日常会話のやり取りをしていた日々は今はない。

でも…でも…

真っ直ぐに僕の話を聞いてくれていたきょう姉。
否定もせずに頷いてくれていたきょう姉。

そのきょう姉の優しさに助けられた。
前に進める気持ちができた。

「…」

「土曜日に彼女と家で話してきます」

それだけを送った。
既読がつくのが怖くて、すぐにLINEを閉じた。

「…頑張ろう…」

同棲して10年。
はるかの為だけに頑張ってきたのは事実。
それははるかのことが好きだからやってこれた。

「…うん」

僕は…きっとはるかの事が好きだ。

それはきっと今も変わっていない。
でも、その気持ちに負けてしまう事が生まれてしまった。

ちゃんと自分の事や気持ちを伝えられていなかった。

そしてあの出来事の時も、自分の気持ちを言わずに我慢をして受け入れる事をしてしまった。

本当は嫌だったのに。
でも、言えなかった。
ずっと前から言えてなかった。

「…それじゃあダメだ」

会った時にどう思うかは分からない。
けど…

「この気持ちとか想いとかをちゃんと話をしなきゃ…」
「僕は…はるかのことが好きだ」

負けそうになる自分に言い聞かせた。


ピロンっ

スッ

「後悔はしないようにね!私はどんなゆうまでも応援してるよ」

きょう姉からのLINE。
それだけ送ってきてくれた。

「…きょう姉、本当にありがとうね」

それには返答せず、本文にリアクションだけつけてLINEを閉じた。

「…ちゃんとしなきゃ」


約束の日まであと3日。


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