狐火
「おいで…」
兄様が姉様と私を連れてその部屋を出ていった。
三人で並んで、
次は誰も沈黙を破れなかった。
「沙雪…今日怖かった?どう?」
なんて言えば良いのか分からなかった時、
「おい、沙雪…素直に答えていいんだぞ…?」
「………………怖かった…」
「やっぱり<アレ>は怖いか……」
「違うわ兄様!私が1番怖いのは!」
「なんだ?」
「何?」
兄様と姉様が同時に聞いた。
それは…
「家族がいなくなる事…」
「沙雪…あの正体を知っているの?」
私は頭を横に振った。
「知らない。」
「知りたい…?」
「うん…」