狐火


夜の闇が去り、明るくなった頃、父様は私を使いに出した。


やはり私はまだ幼子、家から殿城までの道のりは、とても長く、きついものであった。
腰に母様の薬を肩に兄様への差し入れの品、手には父様の野菜を持ち、
さらに道のりが長く感じられる。


でも通ったみちの大人は、偉いわね、頑張ってや
子供たちはいいなぁ、と声をかけるので、
誇りを持ち、長い道のりを歩く事ができた。





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