狐火
久しぶりに兄様と一緒に帰る。
「兄様!この前は馬の乗り方を教わったの!一人で乗れるようになったわ!」
「ずいぶん女娘らしい口調になったな…沙雪、一人で乗ってみるか?」
私は、ポンと地を蹴り、馬にまたがった。
兄様はもう乗っていて、
「行くぞ!」と声をかけ走り出した。
パタパタと走り出した兄は、驚いた 。
兄より速く馬を走らせる沙雪がいた。
「兄様遅い!!!」
と言い、前に走って行った。
兄がどう全力で馬を走らせても、沙雪には追いつけなかった。
とても七つの幼子には見えなかった。
考えてみれば、私が仕祭に仕えた時から五年
背は、140㎝にもなり、
他の子供より高い。
二年前は132㎝だったのに…殿様も飛び付かれたら、重いだろう………。
そんな事を考えながら走っていたら、
すぐ家に着いた。