猛虎の襲撃から、逃れられません!(加筆修正中)

彼がいう刹那とは同人誌の漫画の主人公で、ドSな性格の生徒会長でイケメン御曹司・刹那のこと。
クールな性格の生徒会副会長みちるに密かに恋をしていて、彼女を口説き落すためにドSを封印。
IQ180と言われる頭脳で編み出されたデートプラン。
恐らく、それのことだろう。


私だから通じる会話。
刹那のデートプランを知っている雫は、脳内が一瞬で沸騰した。

あの手この手でみちるに振り向いて貰うために悪戦苦闘する刹那。
王道のラブコメ要素満載で、普段は鉄の女とも思えるほどクールなみちるが、稀に崩れる瞬間があるのだ。

普段は毒を吐くような刹那が、自分への想いをストレートに表してくれることに少しずつ惹かれて。
10回目の制服デート(学校帰り)で、『手くらい…』とデレを発動。
そこがきゅんポイントなんだけど…。

「私、あんなにもクールじゃないと思うけど」
「先輩がどーのこーのじゃなくて、俺が刹那になりきりたかったんすよね~」
「……」
「どう頑張っても、あーいう男には絶対なれないと思うんで」

彼の脳内が垣間見れた気がした。

「もっとしておけばよかった」

ぼそっと呟かれた言葉の中に、他にも言えずにいたことがあったのかな?と感じた。

「ごめんね、いっぱい我慢させてたよね」
「は?」
「受験を理由に付き合うのも先延ばしにしたから」
「いや、それはちゃんと納得してたんで問題ないっす」
「でも…」
「先輩は考えすぎなんすよ」
「……」
「俺、いい男でもデキた男でもないんで、普通にエロいことも考えますし、それら全部言ってたら、絶対先輩引いてたっすよ」
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