猛虎の襲撃から、逃れられません!(加筆修正中)
「……フッ」
「何で笑うの?」
「いや、かわいいなぁと思って」
「可愛くないよ」
「かわいいっすよ。それに……」
スッと顔を寄せた彼は、耳元に呟いた。
「先輩の生脚、すげぇエロいっすよ」
「……っっっ?!!」
ツーっと脚をなぞる指先。
ショーパンの裾部分の際どいラインでピタリと止まった。
「拒否らないんすね」
「っ……」
煽るような口調。
私の気持ちを読んでる。
「……拒否していいの?」
ぞくぞくとした感覚がせり上がる。
深いキスをした時みたいに。
「あぁ~~っ、くそっ、水着にすんじゃなかった」
「へ?……あっ」
新人戦の褒美のことだ。
まだ付き合い始めて1カ月だよ?
いや、もう1カ月??
今時の高校生は付き合ってどれくらいでするのだろう?
二次元の世界だと、焦れパターンか、速攻パターンの両極端だよ。
「ごめんねっ、……もう少し時間欲しいっ」
「……そうっすよね」
「虎太くんとしたくないわけじゃない。だけど、まだ心の準備ができないの」
「……じゃあ、今から予約しときます」
「っっ」
「先輩は予約しなくていいんすか?」
そういう質問はしないで。
返しに困るんだってばっ。
「……入手困難なくらい激レアなの?」
「え?……そうでもない」
「じゃあ、予約必要なくない?」
「技ありっすね」
「先に有効取るからだよ」
イケ活と同じくらい暗号だらけの会話。
私ら、ならではだ。
「今度、うちの道場で組手しませんか?」
「……」
「先輩の上段蹴り、喰らってみたいんすよね。俺の夢だったんで」