猛虎の襲撃から、逃れられません!(加筆修正中)

「そういうこと言うと」

スーッと伸びて来た右手。
顔の横を通り過ぎて、首の後ろへと。

「ッ?!!!」

クイっと何かに引っ張られる感覚がしたと思ったら。
後ろ首で結んでる水着の紐が解かれた。

「ちょっ……」
「1歳しか離れてないのに、余裕ぶちかまされるとイラっとするんすよね」

やばっ。
挑発とも取れる反則技を先に仕掛けたのは私だ。

だからといって、ビキニの結び目を解かなくてもいいじゃない。

両手で胸元を押さえ、何とか凌いでいるのに……。
膝頭に乗せた手が、ツツツーッと内股を這い上がって来る。

彼の指先の行方が気になって、全身が粟立つ。
ゾクゾクとした、痺れのような何とも言えない感覚。

男の子に触られたことがない私は、彼が与える刺激の全てに反応してしまう。

「あ……鳥肌立ってる」
「いちいち言わなくていいからっ」

恥ずかしくて、蒸発死してしまいそう。

「おもクソかわいっっ」
「可愛くないからっ!」
「かわいいっすよ、めちゃくちゃ」
「えっ、……きゃぁっ」

彼の手が、座ってる私のお尻部分に当てられたと思ったら。
なんと、そのまま抱え上げられてしまった。

軽々と抱え上げる彼。
お姫様だっこではなく、正面で臀部を支えるみたいに持ち上げられてて。

一瞬の出来事だというのもあると思う。
思ってた以上の高さに驚いて、思わず抱きついてしまった。
胸元を押さえていたこともすっかり忘れて。

抱きついたまではいいけど。
手が離せない。

手を離したら、水着がはらり、お胸がぽろり状態になる。

「もうっ、これどうしたらいいの~?手離せないし、下りれないじゃないっ!」
「プロポーズ承諾してくれたら、目瞑ってあげますし、下ろしてあげますよ」
「なっ……」

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