猛虎の襲撃から、逃れられません!(加筆修正中)
*
「えっ……ちょっと、津田くんっ」
「はい」
「もしかして、ここに入るの?」
「はい」
にかっと白い歯を見せる彼。
目の前に聳え立つのは、世界最大のアニメショップ、池袋本店だ。
「先輩、『プリンセスの扉』やってますよね?」
「へ……?」
「実は俺もやってるんです」
「えぇぇえええっ?!」
外国人の観光客も多くいる中、入口で発狂してしまった。
「とりあえず、暑いんで中に入りましょうか」
外気温30度近くて、彼の額には汗が滲んでいる。
先を歩く彼を追いかけるように店内へと。
スーッと冷気が肌を撫でる。
二次元のイケメンが大好物だけれど、池袋は1人では来づらくて来たことがない。
ネットや大手の書店で入手している雫にとって、ここは聖地巡礼と言っていいほど、神の領域だ。
「ゲームだけじゃなくて、漫画やDVDとかも観ます?」
「観ます!!」
「ッ?!……プッ」
「あっ……」
食い気味に答えてしまった。
だって、見るもの全てが癒しの世界なんだもん。
「今の、めちゃくちゃかわいかったっす」
「っっ…」
「俺、弟がいるんすけど、いつもすっげぇ冷めた目で見られてるんで。なんか、この世界観が通じる人と話せること自体が奇跡っす」
私もだ。
ちーちゃんとさっちゃんは理解を示してくれているけれど、他の人には絶対に言えない。
仲のいい女の子たちですら言えないのに、こんな風に男の子と共通の趣味があるだなんて、信じられない。
あっ、もしかして、だからなの?
彼が私に声をかけて来たのは。
「あの、津田くん」
「はい?」
私の声掛けに足を止め、振り返った彼。
視線が泳ぐ私を、優しく覗き込むような感じで近づいて来た。
「えっ……ちょっと、津田くんっ」
「はい」
「もしかして、ここに入るの?」
「はい」
にかっと白い歯を見せる彼。
目の前に聳え立つのは、世界最大のアニメショップ、池袋本店だ。
「先輩、『プリンセスの扉』やってますよね?」
「へ……?」
「実は俺もやってるんです」
「えぇぇえええっ?!」
外国人の観光客も多くいる中、入口で発狂してしまった。
「とりあえず、暑いんで中に入りましょうか」
外気温30度近くて、彼の額には汗が滲んでいる。
先を歩く彼を追いかけるように店内へと。
スーッと冷気が肌を撫でる。
二次元のイケメンが大好物だけれど、池袋は1人では来づらくて来たことがない。
ネットや大手の書店で入手している雫にとって、ここは聖地巡礼と言っていいほど、神の領域だ。
「ゲームだけじゃなくて、漫画やDVDとかも観ます?」
「観ます!!」
「ッ?!……プッ」
「あっ……」
食い気味に答えてしまった。
だって、見るもの全てが癒しの世界なんだもん。
「今の、めちゃくちゃかわいかったっす」
「っっ…」
「俺、弟がいるんすけど、いつもすっげぇ冷めた目で見られてるんで。なんか、この世界観が通じる人と話せること自体が奇跡っす」
私もだ。
ちーちゃんとさっちゃんは理解を示してくれているけれど、他の人には絶対に言えない。
仲のいい女の子たちですら言えないのに、こんな風に男の子と共通の趣味があるだなんて、信じられない。
あっ、もしかして、だからなの?
彼が私に声をかけて来たのは。
「あの、津田くん」
「はい?」
私の声掛けに足を止め、振り返った彼。
視線が泳ぐ私を、優しく覗き込むような感じで近づいて来た。