猛虎の襲撃から、逃れられません!(加筆修正中)
「私がアニメオタクだから、声をかけてくれたの?」
「え?……いえ、違いますけど」
「へ?」
違うの?
じゃあ、何で??
「私デカいから、ちーちゃんみたいに可愛くないし、さっちゃんみたいに色気もないよ?」
「何すか、それ」
「今日はあの二人が可愛く仕上げてくれたけど、いつもの私はホントにダサダサだし」
「……自虐ネタっすか?」
「勉強しかできない、枯れ女子だよ」
自分で言ってて虚しくなる。
幼い頃から体を鍛えていたこともあって、太りにくい体質ではあるけれど。
骨太だし、筋肉質だし。
もふもふ系の服は着れないし、ひらひら系の服も着れない。
キラキラした飾り物も似合わないし、ゆるキャラみたいな可愛い系も似合わない。
外国で生まれて育ったら違う人生だったのかもしれないけれど、ここは日本。
奥ゆかしい小柄の女性がもてはやされる、お国柄。
無意識に視線が足下へと。
溜息のような、諦めの感情がぐっと込み上げて来た、その時。
「俺には十分すぎるほど、可愛いっすよ?」
「………へ?」
「俺から見れば全然小さいですし可愛いですし、……色気もあるっすよっ」
口元を手で覆いながら、顔を逸らした彼。
気のせいかもしれないが、ほんの少し顔が赤らんで見える。
「本当に?」
「……はい。ってか、なんすか、これ。罰ゲームか何かっすか?めっちゃ照れるんすけどっ」
近くにいた人たちが、私たちの会話を聞きつけ、集まって来た。
公開告白か何かだと思われているようだ。
「先輩、場所変えましょ」
「……うん」