猛虎の襲撃から、逃れられません!(加筆修正中)

「じゃあ、デートに誘って、本人に欲しいものを聞いたらいいんじゃない?」
「へ?」
「それいいね!おそろで欲しいって言われたら、ペアの物買えばいいし」
「ちょっと待って」
「ん?」
「デートに誘うこと自体が、超難易度高いんだけど」
「えぇ~、この間みたいに軽くメールしたらいいじゃん」
「あれは、さっちゃんが勝手に送信したんじゃん」
「そうだっけ~?」
「とぼけないでよっ」

この間の猫カフェデートを誘うのに、アイデアをちーちゃん。
お誘いメールをさっちゃんがしてくれた。

経験値不足の私を後押ししてくれて、本当に助かっているけれど。
これが『付き合う』関係になったら、毎日のやり取りになるのかと思っただけで頭が真っ白だ。

簡単なメールのやり取りはある。
『今、部活終わって、朋希とラーメン屋にいます』的な挨拶メールなら。

デートとなると、ハードルが高いというより、次元が違う。
一気に夢の国に足を踏み入れてるようなものだ。

「少しずつでいいから慣れてかないと、本当に横から見知らぬ美女に横取りされるよ?」
「うっ…」
「毎日ちょっとずつでいいから、勇気だしなよ」
「……」
「勉強だって運動だって、雫はやれば何でもできるじゃん!」
「……」
「絶対、恋愛もできるようになるからっ」
「……ありがと、さっちゃん」
「雫」
「ん?」
「ピアス開ける気、ある?」
「ピアス?」
「うん」
「大学に入ったら、開けようかとは思ってるけど」
「じゃあそれにしな」
「言ってる意味が分かんないよ、ちーちゃん」
「だから、クリスマスデートは、雫の家に呼んでケーキでも食べて、彼にピアスホール開けて貰えばいいんだよ」
「はぁぁあ?」

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