猛虎の襲撃から、逃れられません!(加筆修正中)
ちーちゃんが天然というか、突拍子もないことを言うのは前からだけど。
本当に予想もつかないことを言い出した。
「あっでも、家デートはいいかも。他人の目を気にする雫にはもってこいじゃん」
「っ……」
白修館は私立高校というのもあって、校則はそんなに厳しくない。
プロのアスリートを目指す人がたくさんいて、タトゥーやボディピアスなんてものは、北棟では普通らしい。
さすがに南棟ではいないけれど。
耳にピアスをしている子は何人もいる。
ちーちゃんは両耳に1つずつ。
さっちゃんは右に1つ、左に2つ開けている。
前から『雫も開けようよ』とは誘われていたけれど、今じゃなくてもいいかな~と思って。
「ピアッサー使ったら、一瞬だし」
「よーく冷やしておけば、殆ど痛くないよ」
「そそ、痛いのは数時間経ってから」
「そうなの?」
「まぁ、それも個人差や場所にもよるけど」
「そうなんだ」
「ってか、格闘技で骨折した経験のある雫にしたら、痛いうち入らないって」
「それもそうね」
ん?
何だろう?
急に2人が耳打ちし始めた。
部外者扱いみたいなのは、やっぱり気分悪いよ。
「あぁ~っ、津田くんのテンパる姿見た~い!」
「きっと可愛いだろうねっ」
「何の話?」
「きゅんきゅんしてる2人が、目に浮かぶ~っ」
「もうっ、だから、何の話をしてるの?」
ぷくっと膨れてみせると、ちーちゃんが手招きした。
3人でテーブルに顔を寄せてヒソヒソ話をする。