猛虎の襲撃から、逃れられません!(加筆修正中)
*
「先輩っ」
駅から走って来たの?
呼吸が少し乱れてる感じ。
「走って来なくてもよかったのに」
「早く会いたかったんで」
「っ…」
「楽しかったですか?」
「うん。なんかあっという間だったよ」
今日一日が高校3年間で一番短く感じた。
いつもより色んな出来事があったはずなのに、全力疾走で駆け抜けたくらい一瞬に感じるほどだ。
コートのポケットに入れようとした手を掴まれて、握り直すように指先が絡めとられる。
「寒いですか?」
「さっき温かい烏龍茶飲んだんだけど、やっぱり夜は少し冷えるね」
私の手の温度を感じ取った彼が、はぁ~と温かい息を吹きかけてくれた。
そして、駅へとゆっくりと歩き出す。
「先輩、今年の夏休みって何してます?」
「夏休み?……どうだろう?宿泊研修みたいなのが、7月の終わりにあったような気がするけど。家に帰ったら予定表見てみる。何かあるの?」
「はい」
「ん?」
「ブリスベン オリンピック」
「……あっ」
「今月末にある高校選抜で優勝できたら、オリンピックの出場枠獲得できるんで」
「えっ、そうなの?」
「はい。選考基準でもある他の世界大会のポイントを結構稼いでるんで、新人戦を制したら行けます」
「凄いねっ!!」
春にある全国高等学校空手道選抜大会は、新人戦と呼ばれていて。
野球で言えば、春の甲子園に当たる。
夏にはインターハイと呼ばれる、全国高等学校空手道選手権大会というものがある。
これが夏の甲子園と同じで、空手では年2回、この大きな大会を皆目指すのだ。
そして、この高校選抜で優秀な成績をおさめると、主要な国際大会や国内のシニアの大会への切符にもなる。
「先輩っ」
駅から走って来たの?
呼吸が少し乱れてる感じ。
「走って来なくてもよかったのに」
「早く会いたかったんで」
「っ…」
「楽しかったですか?」
「うん。なんかあっという間だったよ」
今日一日が高校3年間で一番短く感じた。
いつもより色んな出来事があったはずなのに、全力疾走で駆け抜けたくらい一瞬に感じるほどだ。
コートのポケットに入れようとした手を掴まれて、握り直すように指先が絡めとられる。
「寒いですか?」
「さっき温かい烏龍茶飲んだんだけど、やっぱり夜は少し冷えるね」
私の手の温度を感じ取った彼が、はぁ~と温かい息を吹きかけてくれた。
そして、駅へとゆっくりと歩き出す。
「先輩、今年の夏休みって何してます?」
「夏休み?……どうだろう?宿泊研修みたいなのが、7月の終わりにあったような気がするけど。家に帰ったら予定表見てみる。何かあるの?」
「はい」
「ん?」
「ブリスベン オリンピック」
「……あっ」
「今月末にある高校選抜で優勝できたら、オリンピックの出場枠獲得できるんで」
「えっ、そうなの?」
「はい。選考基準でもある他の世界大会のポイントを結構稼いでるんで、新人戦を制したら行けます」
「凄いねっ!!」
春にある全国高等学校空手道選抜大会は、新人戦と呼ばれていて。
野球で言えば、春の甲子園に当たる。
夏にはインターハイと呼ばれる、全国高等学校空手道選手権大会というものがある。
これが夏の甲子園と同じで、空手では年2回、この大きな大会を皆目指すのだ。
そして、この高校選抜で優秀な成績をおさめると、主要な国際大会や国内のシニアの大会への切符にもなる。