Good day ! 2
早速2日後、乗務の合間を縫って機内誌に掲載されるインタビューが行われた。

恵真は大和と一緒に会議室に向かう。

前回、倉科との動画を撮った部屋と同じだった。

(今回は大和さんと一緒だもん。楽しみ!)

恵真はウキウキして顔をほころばせていた。

二人は窓越しに滑走路を背にして座り、ICレコーダーを置いたテーブルを挟んで座った川原の質問に答えていく。

もう一人広報課の社員が来て、インタビューの様子を写真撮影していた。

「では夫婦共にパイロットで良かったと思うのは、どんなところでしょうか?佐倉キャプテン」

促されて大和が口を開く。

「そうですね。まず何より仕事に対する理解があります。パイロットは常に健康に気をつけなければいけませんし、勤務も不規則で、海外フライトでは何日も家を不在にします。妻は栄養のバランスを考えた身体に良い美味しい料理を作ってくれますし、時差がある勤務のあとはゆっくり休ませてくれます。海外に飛んでしばらく会えない時は寂しいですが、必ずステイ先から電話するようにしています」

川原はメモを取りながら頷く。

「素敵ですね。恵真さんはいかがですか?」

「はい。私もとても助けられています。朝が早かったり夜遅くまでの勤務の時は、家事が疎かになってしまいますし、海外フライトでは家を空けなければいけません。そんな時も、しゅ…主人は理解を示してくれますし、帰ってきた私を休ませて代わりに家事をやってくれます。それから私はまだまだ勉強する事が多い副操縦士なのですが、いつでも優秀で素晴らしい機長に質問が出来ます。これはとても有り難いです」

なるほど…と川原は真剣にメモに書き込む。

「では夫婦揃ってパイロットというのは、ライフスタイルとしてはベストな感じですね」

すると大和が真顔で答えた。

「私と妻が常に同じフライトならベストですね。四六時中一緒にいられますから」

ちょ、ちょっと、佐倉キャプテン!と、隣で恵真が小声で止める。
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