Good day ! 2
「あらあら、ご馳走様です。じゃあもう少し踏み込んだお話をしてもいいですか?今後お子さんが生まれたら、どのようにお二人の生活は変わるのでしょうか?女性パイロットも増えてきていますので、ぜひ参考にお聞かせ頂ければ」
こ、子ども?!と、恵真は顔を真っ赤にするが、大和は真剣な表情のまま答える。
「そうですね。女性パイロットは妊娠、出産で乗務出来なくなる期間が出てきます。ですがそこを全力でカバーするのが私の役目です。マニュアルの変更点や情報のアップデートなどは、常に共有していきますし、もちろん家事育児も率先してやります。妻が育児休暇を終えて乗務復帰する際は、あらゆるサポートをしてスムーズに復帰出来るように支えます。そしてまた夫婦で乗務する日々が始まれば、互いに助け合いながら、無理なく子育ても楽しんでいきたいと思っています」
(大和さん、そこまで考えてくれていたなんて…)
恵真は感激してうつむく。
「恵真さんはどうですか?妊娠や出産は、どうしても乗務出来ない期間が出てきます。機長への道のりも長くなりますし、女性にとってはやはりハンデになるでしょうか?」
そうですね…と少し思案してから、恵真は微笑んで顔を上げた。
「私はハンデだとは思いません。確かにしばらく操縦桿を握れなくなれば、勘を取り戻すのに時間がかかるかもしれません。ですが私は、急いで昇格したいとは思っていません。ゆっくりじっくり、時間と経験を重ねていきたいと思っています。それに、良い点もあると思います。例えば、妊娠中や小さなお子様連れのお客様の気持ちに、もっと寄り添う事が出来るかもしれませんし、子ども達に飛行機の魅力を伝えたい気持ちも大きくなるのではないかと思います」
川原は、恵真の言葉ににっこり笑う。
「そうですね。そんなお二人のお子さんなら、きっと飛行機好きになるのでしょうか?楽しみですね!パパ・ママパイロットになった時には、ぜひまたお話を聞かせてください」
「あ、はい。ありがとうございます」
恵真は顔を赤くしてうつむいた。
「まだまだ聞きたい事はたくさんありますが、今回はこの辺で。恵真さんの女性パイロットとしての今後の活躍、そしてパイロット夫婦としてのお二人の今後にも注目したいと思います。お二人、今日はありがとうございました」
ありがとうございました、と大和と恵真も頭を下げてインタビューは終わった。
「んー、いい記事になりそう!」
ICレコーダーを止めて川原は嬉しそうに笑う。
「なんとか、1月の機内誌に間に合わせますね。会社のホームページからもWeb機内誌として読めるので、SNSでも告知したいと思います。お二人には、今後も時々インタビューさせてもらうと思うので、どうぞよろしくお願いしますね」
「こちらこそよろしくお願いします」
挨拶をしてから、恵真は大和と一緒に部屋を出る。
二人で廊下を歩きながら、恵真は先程のインタビューでの大和の言葉を思い出していた。
「大和さん、ありがとうございます」
「ん?何が?」
「私のこと、いつもたくさんサポートしてくださって。これからのことも、あんなに色々と考えてくださっていたんですね」
大和は優しく微笑んで恵真に顔を向ける。
「当たり前だよ。俺達二人の将来なんだから。恵真、女性パイロットにとって、仕事と家庭の両立は難しいと思う。でも忘れないで。俺はいつだって恵真と一緒にいる。自分だけでなんとかしようとしないで、必ず俺にも相談してね」
「はい!とっても心強いです」
恵真もとびきりの笑顔をみせて頷いた。
こ、子ども?!と、恵真は顔を真っ赤にするが、大和は真剣な表情のまま答える。
「そうですね。女性パイロットは妊娠、出産で乗務出来なくなる期間が出てきます。ですがそこを全力でカバーするのが私の役目です。マニュアルの変更点や情報のアップデートなどは、常に共有していきますし、もちろん家事育児も率先してやります。妻が育児休暇を終えて乗務復帰する際は、あらゆるサポートをしてスムーズに復帰出来るように支えます。そしてまた夫婦で乗務する日々が始まれば、互いに助け合いながら、無理なく子育ても楽しんでいきたいと思っています」
(大和さん、そこまで考えてくれていたなんて…)
恵真は感激してうつむく。
「恵真さんはどうですか?妊娠や出産は、どうしても乗務出来ない期間が出てきます。機長への道のりも長くなりますし、女性にとってはやはりハンデになるでしょうか?」
そうですね…と少し思案してから、恵真は微笑んで顔を上げた。
「私はハンデだとは思いません。確かにしばらく操縦桿を握れなくなれば、勘を取り戻すのに時間がかかるかもしれません。ですが私は、急いで昇格したいとは思っていません。ゆっくりじっくり、時間と経験を重ねていきたいと思っています。それに、良い点もあると思います。例えば、妊娠中や小さなお子様連れのお客様の気持ちに、もっと寄り添う事が出来るかもしれませんし、子ども達に飛行機の魅力を伝えたい気持ちも大きくなるのではないかと思います」
川原は、恵真の言葉ににっこり笑う。
「そうですね。そんなお二人のお子さんなら、きっと飛行機好きになるのでしょうか?楽しみですね!パパ・ママパイロットになった時には、ぜひまたお話を聞かせてください」
「あ、はい。ありがとうございます」
恵真は顔を赤くしてうつむいた。
「まだまだ聞きたい事はたくさんありますが、今回はこの辺で。恵真さんの女性パイロットとしての今後の活躍、そしてパイロット夫婦としてのお二人の今後にも注目したいと思います。お二人、今日はありがとうございました」
ありがとうございました、と大和と恵真も頭を下げてインタビューは終わった。
「んー、いい記事になりそう!」
ICレコーダーを止めて川原は嬉しそうに笑う。
「なんとか、1月の機内誌に間に合わせますね。会社のホームページからもWeb機内誌として読めるので、SNSでも告知したいと思います。お二人には、今後も時々インタビューさせてもらうと思うので、どうぞよろしくお願いしますね」
「こちらこそよろしくお願いします」
挨拶をしてから、恵真は大和と一緒に部屋を出る。
二人で廊下を歩きながら、恵真は先程のインタビューでの大和の言葉を思い出していた。
「大和さん、ありがとうございます」
「ん?何が?」
「私のこと、いつもたくさんサポートしてくださって。これからのことも、あんなに色々と考えてくださっていたんですね」
大和は優しく微笑んで恵真に顔を向ける。
「当たり前だよ。俺達二人の将来なんだから。恵真、女性パイロットにとって、仕事と家庭の両立は難しいと思う。でも忘れないで。俺はいつだって恵真と一緒にいる。自分だけでなんとかしようとしないで、必ず俺にも相談してね」
「はい!とっても心強いです」
恵真もとびきりの笑顔をみせて頷いた。