Good day ! 2
慌ただしい日々の中、クリスマス・イヴがやって来た。

その日は恵真も大和も乗務だったが、夕方にひと足早く帰宅した恵真は、急いでクリスマスディナーを準備する。

ローストチキンやポットパイのシチューの他に、クリスマスリースに見立てたサラダ、ツリーのように重ねたピンチョス。

そしてデザートのブッシュドノエルの横には、カットしたイチゴを生クリームで挟み、チョコペンで目を描いたサンタクロースを飾った。

「出来た!あとはツリーにプレゼントを置いて…」

リビングの窓際に飾ってある大きなクリスマスツリーの下に、大和へのプレゼントを置く。

これでよし!と思わず笑みを漏らした時、ただいまーと大和の声がした。

「お帰りなさい!」

恵真は玄関まで大和を出迎えに行く。

「ただいま、恵真」

そう言って、恵真の頬に優しくキスをすると、ん?と大和は部屋の奥に目をやった。

「なんだか美味しそうな匂いがするんだけど」

恵真は、ふふっと笑ってダイニングへ促す。

「うわー、凄い!これ全部恵真が作ったの?」
「うん。クリスマス・イヴだから張り切っちゃった」
「いつの間にこんなに?恵真も今日フライトだったんでしょ?」
「うん。終わってすぐ飛んで帰って来たの」

すると大和はおかしそうに笑う。

「パイロットが飛んで帰って来たの、なんて言ったら、本当に飛行機で帰って来たと思われるよ?」
「あはは!そうかな?」
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