Good day ! 2
二人はひとしきり笑ってから、ダイニングテーブルを挟んで座った。

明日も乗務の為、ノンアルコールのサイダーで乾杯する。

「メリークリスマス!」

二人でグラスを掲げて乾杯してから、大和は早速料理に手を伸ばす。

「んー、うまい!チキンもパイのシチューも、絶品だな」
「ほんと?良かった!」

恵真はホッとして、大和の皿にサラダを取り分ける。

「へえー、これ、クリスマスリースになってるのか。ブロッコリーとポテトサラダと、この星の形は…チーズか。凄いなー。食べるのがもったいない」

一つ一つ手をかけて作った料理を、じっくりと味わってくれる大和に、恵真は嬉しくなって微笑んだ。

食後の紅茶をソファで淹れると、恵真は冷蔵庫からブッシュドノエルを取り出した。

「うわ!可愛いなー。ちっちゃいサンタクロースがいる」

大和はローテーブルに置いたブッシュドノエルを、身を乗り出して眺めている。

「あはは!サンタクロースのこの顔、愛嬌あっていいな。可愛い」

最初は嬉しそうにしていた恵真の顔から、だんだん笑顔が消えていく。

「こんなに可愛いと食べられない。な?恵真」

隣の恵真の顔を見た大和が、ん?と真顔になる。

「恵真?どうかした?」
「ううん。別に…」
「いいや。どうかしたんだろう?拗ねてるもん」
「だって…」
「何?」
「大和さん、可愛い可愛いって、サンタクロースにばっかり目が行ってるし」

は?と大和は呆気に取られて瞬きする。

「恵真、サンタクロースにヤキモチ焼いてるの?恵真が作ったのに?それにサンタクロースって、おっさんだよ?」

あはは!と思わず恵真は笑い出した。

「大和さん、サンタクロースのことおっさんなんて言っちゃダメ。夢がないですよ?」
「じゃあそのおっさんにヤキモチ焼いたのは誰?」
「もう!ヤキモチなんて焼いてません!」

恵真は、ぷうーっと頬を膨らませる。

「焼いてる焼いてる。いい感じにお餅が膨らんでるよ?」

そう言って大和は、恵真の膨れたほっぺたをツンとつついた。

「大和さん!」
「ごめんって。可愛くてつい。恵真、サンタクロースのおっさんよりも、遥かに恵真の方が可愛いよ。ほら、ケーキ食べよう。ね?」
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