Good day ! 2
久しぶりに良いオフを過ごし、気持ちも新たに仕事に向かった伊沢は、Show Upの前に休憩室でコーヒーを飲んでいた。
するとどこからともなく現れた野中が、そそくさと隣に座ってくる。
「おはよう!伊沢ちゃん」
「お、おはよう、ございます」
不気味すぎて、まともに目を合わせられない。
「あのさ、ちょっと聞いてくれる?」
「は、はあ。どうかしましたか?」
「実は、あれからメール送ってみたんだ。その…彩乃さんに」
えっ!と伊沢は思わず大きな声で聞き返してしまい、野中がシー!と人差し指を立てる。
「す、すみません。それで、なんて送ったんですか?」
「知りたい?いいけど、内緒だぞ」
「はい。もちろん」
野中はスマートフォンを操作して、メールの画面を見せてくれた。
(えーっと?拝啓 森下 彩乃様。先日は日本ウイング航空をご利用頂き、誠にありがとうございました。いつもお仕事でご搭乗頂いているとの事、重ねてお礼申し上げます。お硬いなー。いやいや、それはいいか)
どうでもいい事が気になってしまうが、とにかく先を読み進める。
(お母様の形見の大切な指輪を無事にお返しでき、心より安堵しております。そして日頃より、拙い私のアナウンスを覚えていてくださり、良いお声とまで嬉しいお言葉を頂いた事にも、大変ありがたく思っております。近いうちにまた機内でご一緒できますよう、心よりお待ちしております。季節の変わり目、どうぞご自愛くださいませ。敬具 日本ウイング航空 野中 真一)
「って、長い!野中さん、こんな長文送ったんですか?」
「えー?伊沢ちゃんのアドバイス通りに書いたのに」
「いや、俺が言ったのは確か2行くらいでしたよ?」
「まあまあ、いいじゃない。結果オーライだよ」
え?と伊沢は首をひねる。
「それって、もしやお返事が?」
「そうなんだよー!見たい?見たいよね?仕方ないなあ」
何も言っていないのに、野中は嬉しそうにまた画面を見せてくる。
するとどこからともなく現れた野中が、そそくさと隣に座ってくる。
「おはよう!伊沢ちゃん」
「お、おはよう、ございます」
不気味すぎて、まともに目を合わせられない。
「あのさ、ちょっと聞いてくれる?」
「は、はあ。どうかしましたか?」
「実は、あれからメール送ってみたんだ。その…彩乃さんに」
えっ!と伊沢は思わず大きな声で聞き返してしまい、野中がシー!と人差し指を立てる。
「す、すみません。それで、なんて送ったんですか?」
「知りたい?いいけど、内緒だぞ」
「はい。もちろん」
野中はスマートフォンを操作して、メールの画面を見せてくれた。
(えーっと?拝啓 森下 彩乃様。先日は日本ウイング航空をご利用頂き、誠にありがとうございました。いつもお仕事でご搭乗頂いているとの事、重ねてお礼申し上げます。お硬いなー。いやいや、それはいいか)
どうでもいい事が気になってしまうが、とにかく先を読み進める。
(お母様の形見の大切な指輪を無事にお返しでき、心より安堵しております。そして日頃より、拙い私のアナウンスを覚えていてくださり、良いお声とまで嬉しいお言葉を頂いた事にも、大変ありがたく思っております。近いうちにまた機内でご一緒できますよう、心よりお待ちしております。季節の変わり目、どうぞご自愛くださいませ。敬具 日本ウイング航空 野中 真一)
「って、長い!野中さん、こんな長文送ったんですか?」
「えー?伊沢ちゃんのアドバイス通りに書いたのに」
「いや、俺が言ったのは確か2行くらいでしたよ?」
「まあまあ、いいじゃない。結果オーライだよ」
え?と伊沢は首をひねる。
「それって、もしやお返事が?」
「そうなんだよー!見たい?見たいよね?仕方ないなあ」
何も言っていないのに、野中は嬉しそうにまた画面を見せてくる。