Good day ! 2
第十章 倉科のアプローチ
「お疲れ様、伊沢くん。ちょっといいかな?」
その日の勤務を終えて着替えた伊沢は、更衣室を出た所で意外な人物に声をかけられた。
「倉科さん?!」
モデルのようなスタイルの倉科が、ラフな私服姿で壁に寄りかかっていた。
一体自分に何の用だろうと思いながら、休憩室に連れて行かれる。
「えっと、コーヒーでいいかな?」
「あ、自分がやります」
「いいから、座ってて」
倉科はコーヒーを入れた紙コップをテーブルに2つ置くと、ゆったりとした仕草で椅子に座る。
「どう?乗務の方は。困った事とかない?」
「いえ、特に」
「そう。君とは一度も一緒になった事はないけど、何かあったらいつでも声かけて」
「ありがとうございます。でも、あの…」
ん?なに、と倉科は顔を上げる。
「そんな事の為にわざわざ俺を呼び止めたんじゃないですよね?何のお話でしょうか?」
倉科は、ふっと笑う。
「まあそう焦らなくても。まずはゆっくり君と話して、どんな人なのか知りたかったんだ。でも、なるほど。真っ向勝負がお好みなんだね。じゃあ遠慮なく」
そう言って正面から伊沢に向き合う。
「単刀直入に言う。俺は藤崎 恵真ちゃんが好きだ。必ず彼女にしてみせる」
「なっ…!?」
伊沢は言葉を失って目を見開いた。
「君が彼女とつき合っていても関係ない。本気で口説かせてもらう。正々堂々と勝負させてくれ」
ただそれを伝えたくてね、と言うと、飲みかけのカップを手に立ち上がる。
「それじゃあ」
何も言い返せず、ただ呆然とその場に座ったまま、伊沢は倉科を見送った。
その日の勤務を終えて着替えた伊沢は、更衣室を出た所で意外な人物に声をかけられた。
「倉科さん?!」
モデルのようなスタイルの倉科が、ラフな私服姿で壁に寄りかかっていた。
一体自分に何の用だろうと思いながら、休憩室に連れて行かれる。
「えっと、コーヒーでいいかな?」
「あ、自分がやります」
「いいから、座ってて」
倉科はコーヒーを入れた紙コップをテーブルに2つ置くと、ゆったりとした仕草で椅子に座る。
「どう?乗務の方は。困った事とかない?」
「いえ、特に」
「そう。君とは一度も一緒になった事はないけど、何かあったらいつでも声かけて」
「ありがとうございます。でも、あの…」
ん?なに、と倉科は顔を上げる。
「そんな事の為にわざわざ俺を呼び止めたんじゃないですよね?何のお話でしょうか?」
倉科は、ふっと笑う。
「まあそう焦らなくても。まずはゆっくり君と話して、どんな人なのか知りたかったんだ。でも、なるほど。真っ向勝負がお好みなんだね。じゃあ遠慮なく」
そう言って正面から伊沢に向き合う。
「単刀直入に言う。俺は藤崎 恵真ちゃんが好きだ。必ず彼女にしてみせる」
「なっ…!?」
伊沢は言葉を失って目を見開いた。
「君が彼女とつき合っていても関係ない。本気で口説かせてもらう。正々堂々と勝負させてくれ」
ただそれを伝えたくてね、と言うと、飲みかけのカップを手に立ち上がる。
「それじゃあ」
何も言い返せず、ただ呆然とその場に座ったまま、伊沢は倉科を見送った。