Good day ! 2
2日後。
すっかり熱も下がった倉科は、恵真と共に監査室に呼ばれ、おとといのフライトについてヒヤリングを受けた。
あの日の朝の時点では体調に異変はなかった事から、特にお咎めはなかったが、以後くれぐれも気をつけるようにと念を押される。
「色々悪かったね、恵真ちゃん」
監査室を出て廊下を歩きながら、倉科が申し訳なさそうに恵真に声をかけた。
「いえ。無事に回復されて良かったです。単なる風邪でしたか?」
「ああ。でも機長なのに、体調管理も出来なくて面目ない」
「いえ、そんな」
それにしても…と、倉科は立ち止まって窓の外を見た。
「あの時の空は酷い荒れ様だったな。なのに君は全く動揺もせずに、一発でランディングさせた。恵真ちゃん。君は一体、何者なんだい?」
「え、何者って…」
恵真は思わず苦笑いする。
「普通のコーパイです」
「いや、普通じゃないね。コーパイとしても、一人の女性としても。俺をここまで惹きつけるなんて、君が初めてだ」
そう言うと倉科は恵真に向き直った。
「恵真ちゃん。俺は真剣に君に交際を申し込みたい。俺とつき合ってくれないか?」
恵真は微笑みながら首を振る。
「申し訳ありませんが、お受け出来ません」
「それは、伊沢くんという彼氏がいるからかい?確かに彼は優しそうないい青年だ。だけど君を想う気持ちは俺だって負けてはいない。俺にもチャンスをくれないか?」
恵真は少しうつむいてから、瞳に力を込めて倉科を見上げた。
すっかり熱も下がった倉科は、恵真と共に監査室に呼ばれ、おとといのフライトについてヒヤリングを受けた。
あの日の朝の時点では体調に異変はなかった事から、特にお咎めはなかったが、以後くれぐれも気をつけるようにと念を押される。
「色々悪かったね、恵真ちゃん」
監査室を出て廊下を歩きながら、倉科が申し訳なさそうに恵真に声をかけた。
「いえ。無事に回復されて良かったです。単なる風邪でしたか?」
「ああ。でも機長なのに、体調管理も出来なくて面目ない」
「いえ、そんな」
それにしても…と、倉科は立ち止まって窓の外を見た。
「あの時の空は酷い荒れ様だったな。なのに君は全く動揺もせずに、一発でランディングさせた。恵真ちゃん。君は一体、何者なんだい?」
「え、何者って…」
恵真は思わず苦笑いする。
「普通のコーパイです」
「いや、普通じゃないね。コーパイとしても、一人の女性としても。俺をここまで惹きつけるなんて、君が初めてだ」
そう言うと倉科は恵真に向き直った。
「恵真ちゃん。俺は真剣に君に交際を申し込みたい。俺とつき合ってくれないか?」
恵真は微笑みながら首を振る。
「申し訳ありませんが、お受け出来ません」
「それは、伊沢くんという彼氏がいるからかい?確かに彼は優しそうないい青年だ。だけど君を想う気持ちは俺だって負けてはいない。俺にもチャンスをくれないか?」
恵真は少しうつむいてから、瞳に力を込めて倉科を見上げた。